ページトップへ

見方を変えれば、お金は今よりもっと身近になる!
読んで得して役立てて、楽しいライフプランを。

記事監修

神戸の独立系FPオフィス代表今村 浩二(上級ファイナンシャルプランナー CFP)

【FPが解説】60歳手前~60歳前半からの老後のライフプラン設計

編集スタッフ 今村(ファイナンシャルプランナー)

年を重ねていくと気になるのが老後のこと。
ですが、具体的に何をしたらいいのかわからなくてそのまま…という方は多いのではないでしょうか。

あなたがいま何歳かによって、ライフプランを考えるうえで気をつけたいポイントが変わってきます。
今回は、60歳手前~60歳前半の方にむけた将来設計(定年後のプランニング)についてお話したいと思います。

定年後も、働くとしたら…

定年後も働くケースで解説させていただくのには理由があります。

昔と今で公的年金から生まれる“ゆとり”には違いがある

公的年金の受給開始年齢は、あなたの生年月日や性別によって違います。
2013年より段階的に引き上げられて、昭和36年度以後生れの男性、及び昭和41年度以後生れの女性は、65歳までまったく受給できなくなります(繰上げ受給の場合を除く)。
生れ年度別の受給開始年齢は次の表をご確認ください。

高年齢者雇用安定法の改正

2013年、高年齢者雇用安定法が改正され、①定年制の廃止 ②定年の引き上げ ③継続雇用制度の導入のいずれかの措置を企業は講じるよう義務付けられました。
さらに、2021年4月1日には70歳までの就業機会の確保について企業に努力義務を求める改正が施行されます。

このように、年金の支給開始年齢が段階的に65歳に引き上げられる一方、平均寿命は年々延び、老後は確実に長くなっているため、“年金世代も働けるうちは働く”という想定も踏まえて、収入・年金・不足額を算出、プランニングするケースも多くなりました。

定年後のプランニング5つのポイント

前置きが長くなりましたが、定年後も働く場合のプランニングについて、ポイントを5つ解説します。

1.1年でも長く働けば年金額も増加する

60歳で定年退職すると年金無支給期間が生じ、自分で住民税や国民健康保険料などを支払うことになります。
一方、厚生年金に加入して働き続ければその分だけ年金を増やすことができ、健康保険(保険料は労使折半)にも引き続き加入できます。

2.どんな雇用形態を選ぶか決める

現在の会社に継続雇用されるか、退職後に再就職するか、できるだけ早く目途をつけておきましょう。
どうしても決められない場合も、失業等給付をもらえる条件(離職日以前の2年間に被保険者期間が12ヶ月以上あること)を満たしておくことです。

収入よりも趣味や生きがいの時間を優先し、空いた時間にパート等をするというのも選択肢のひとつですが、将来の年金増を望むのであれば、社会保険に加入した形で働き続けるほうが望ましいです。

早期退職による退職金の上乗せ制度があるなら、独立して自営業や個人事業主に転じる手もあります。
この場合、自分のペースで仕事ができ、どんなに収入があっても在職老齢年金(※下記3.参照)の対象とならず、年金が減らされない点は魅力です。

3.収入は年金・給与・雇用保険のトータルで考える

定年退職後の収入は、年金・給与・雇用保険のトータルで考える必要があります。
なぜかといえば、この3つは相互に影響し合い、単純に合計額を受け取ることができるわけではないからです。

厚生年金に加入して働き続ける場合は、一定の条件下で年金の給付額が減額される「在職老齢年金」となります。
ただし、年金額(基本月額)と平均月収の合計が28万円以下の場合は、年金は減額されません。

年金については、受給開始年齢(65歳)前から受け取れる「繰上げ支給」制度もありますが、受け取り開始時期が1ヶ月早まるごとに本来もらえる額から0.5%ずつ減額されます。
60歳からの受け取りに繰上げた場合、65歳からの受け取りと比較すると30%も減額されます。
また、一度繰り上げてもらい始めると元に戻すことはできないため、年金額が一生涯減額されます。
そのため、可能な限り繰上げはしないほうがよいというのが、私の考え方です。
やむを得ず繰上げを検討する場合も、もらえる年金額が月単位で変わるので、年金事務所で計算してもらってから慎重に判断してください。
また、厚生年金だけの繰上げはできません。繰上げする場合は、老齢基礎年金も同時に繰上げとなります。

退職者の配偶者が第3号被保険者(年金保険料を納めなくてもよい)の場合は、退職し厚生年金の被保険者でなくなると、その配偶者は第1号被保険者となり、国民年金に加入し保険料を支払わなくてはなりません。
この手続きを忘れると、将来配偶者の年金額が減ってしまう可能性がありますのでご注意ください。

4.医療や介護の制度を知る

一般的に退職後の健康保険は、
1.国民健康保険に加入
2.任意継続被保険者(2年間)になる
3.家族の健康保険の被扶養者になる(60歳以上なら年間収入180万円未満)
のいずれかとなりますが、継続雇用されれば、健康保険や厚生年金の被保険者の資格は継続されます。
この時、賃金が大幅に低下した場合は、特例の手続きを行うので通常より有利となります。

退職者の配偶者が第3号被保険者の場合は、新たに国民健康保険に加入する必要があります。

5.「60歳以降も働く」前提のみでプランを立てない

ここまで、60歳以降も働けるうちは働くというケースを踏まえたお話をしました。
ですが、実際にマネープランを考える上では、「60歳以降も働く」という想定で老後資金について考えることはリスクもあるという点は見落とせないポイントです。

なぜなら仮に働けたとしても大幅に収入は下がる可能性もありますし、万が一体調や介護などの事情で働けなくなった場合、大幅に計画が狂ってしまうからです。

ですから、退職後の資金・セカンドライフのマネープランについては、できる限り60歳以降の就労による収入はあてこまず、年金とそれまでの貯蓄でまかなうことのできるように早くから計画を立ててください
そのうえで、就労による収入があれば、さらに安心感を得ることができますし、それ以上に生活のハリや充実につながるものとして位置づけることができます。

まとめ

「実際に何をしたらいいのか?」、これまでのお話のおさらいです。
■支出と収入を見積り、不足額を算出
⇒自分の置かれている状況に合致した対策を検討する
■年金の空白期間を補うためのプランを検討する
ひとりで実践されるのは時間と労力がかかりますし、プランを練るには専門知識が必要となることもあります。
困ったときはファイナンシャルプランナーに相談してみましょう。

老後のライフプラン設計、今すぐ行動にうつすなら
シェアする
フォローする

マネレピのコラムはすべて
神戸の独立系FPオフィス代表
今村 浩二が監修しています。
上級ファイナンシャルプランナー(CFP)・独立系ファイナンシャルプランナー(IFA)として
神戸・大阪・姫路でマネーセミナーや個別相談を実施。