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「弱る円」~日本の未来は明るいの?~

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一ドル144円~145円。
3月以降に加速した円安の流れ。またここ数日で、さらに拍車がかかりました。
現在(2022年9月8日)、一ドル144円~145円。
実に約24年前の円安ドル高水準になっています。

このように円が売られる勢いは他の国の通貨と比べても突出しており、
日本経済の力が失われつつある、私たちの持つ円の価値は下がり続けている、
という根本的な問題を実感しています。
今回は「弱る円」について考えてきたいと思います。

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ひとり負けの「日本」

では、どうして円安が続いているのでしょうか。

直接的な発端は米国が利上げを行った事で、投資家による“金利が高いドルを買って円を売る”
動きが加速しているからです。
これは、ロシアがウクライナへ侵攻した事によるルーブル通貨の下落率と同水準というから驚く
ばかりです。異例の経済制裁を受けている国の通貨と並ぶほど円が売られているのですね。
それどころか、現在はさらに下落し、ルーブルや人民元、タイのバーツに対しても
円安になっています。

そして、対ドルだけではなく様々な通貨に比べた総合的な購買力を示す
(手元の円でどれだけ買い物ができるかを示す)とされる国際指標
「実質実効為替レート」(2010年=100)で見ても、円は非常に厳しい状況です。
現在最新の数値は、2022年7月で、58.7。
50年近く前の1972年以来の低水準となっています。

この数字ではピンとこないかと思います。この数字は大きければ大きいほどよく
過去最高は1995年4月の150.84です。
円の実力は、ピーク時の半分以下となっていることがわかります。
過去1年の変化率をみても、日本円の下落率は突出していますので
今後も円安方向の動きが見込まれます。
先日、ハワイ旅行にいった4人家族が二週間で250万円の旅費がかかり
「50年前の日本のようだ」と言っていました。
海外で物やサービスを購入する際の割高感の非常に強まっていると言えます。
近い将来、iPhoneを買うにも躊躇する、そのような時代が訪れるかもしれません。
(むしろそうなっていますね・・すでに)

なぜ、こんなに「円」は弱いのか

何故、円はそんなに売られてしまうのでしょう。

為替市場では、経済が成長し、景気が良い国の通貨ほど魅力が高いので買われます。
米国や欧州新型コロナウイルスによる景気低迷からの回復が早く、
GDPは既にコロナ禍前の水準まで戻っています。対して日本は長く経済が低迷している上に
コロナウイルスによる経済への打撃から回復の足取りも遅いままです。
つまり、経済成長の鈍い日本という国の通貨は魅力がないのです。

日本はかつて、国内で作った製品を海外に輸出して巨額の貿易黒字を稼いできました。
輸出企業は海外で得た外貨を国内で使う円に交換するため、大量のドルを売って円を
買っていたため、円高が促されてきました。

しかし、2008年のリーマン・ショック後の円高や国内市場の縮小を受け、
製造業の海外進出が進み、それまでは存在していた円の需要が減ったのです。

そして最近では逆に、ウクライナ情勢の悪化を受け原油などの資源が急騰し、貿易赤字が続いています。
これは、輸入するのに必要なドルの需要が高まって、より一層、円安が加速しているという事です。

円のパワー。皆さんはどう思われますか。
これからも円、すなわち日本という国が右肩上がりでどんどん成長するという考えを
お持ちでしたら、日本株や日本円のみを所有していけば良いと思います。

しかしそうではない場合、外国株や海外通貨を保有する事は将来に向けての
マネープランにとても重要な意味を持ちます。
当社でアセット・アクセル(積み立て投資)を行って頂いているお客様には、
このようなポートフォリオ(金融商品の組み合わせ)を持っていただいております。
日本の未来は非常に困難であっても、みなさんの将来は必ずやってきます。
日本の事情に、みなさまの人生や資産が影響を受けないようにしなくてはなりません。

世界は変わっていきます。ぜひ情報をアップデートし、時代に合った資産運用や貯蓄の
方法を意識してくださいね!

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