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【FPが解説】40代からの老後のライフプラン設計

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年を重ねていくと気になるのが老後のこと。
ですが、具体的に何をしたらいいのかわからなくてそのまま…という方は多いのではないでしょうか。

あなたがいま何歳かによって、ライフプランを考えるうえで気をつけたいポイントが変わってきます。
今回は、40代の方にむけた将来設計(定年後のプランニング)についてお話したいと思います。
⇒60歳手前~60歳前半の方にむけた記事はこちら
⇒50代の方にむけた記事はこちら

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30年前とは変わった「ハッピーな老後」

現在の老後の生活設計は、約30年前の1990年代前半とは違い、深刻化しています。

90年代に入ってすぐの頃は、まだバブルが崩壊した実感が薄く、先行きについても楽観的に見るムードがありました。
この頃は団塊世代が40歳代の働き盛りであり、バブルの名残もあって収入が右肩上がりに増えることを疑いようもありませんでした。
金融資産の運用率は、安全に見積もっても平均5%という前提を織り込んだプランを立てることができましたし、リタイア後の収入の柱となる公的年金が「特別支給の老齢厚生年金」として60歳からもらえる、つまり当時は60歳代前半の公的年金がアテにできたのです。
そのため、バブルで消費体質になった延長線上の「ゆとりのある老後」の実現、つまりは現役時代やパートナーが亡くなったあとの大幅な収入ダウンに対処するアドバイスというよりは上乗せの老後資金をどう確保するかが、お客様のご要望でありプランのポイントでした。

一方現在はというと、「ゆとりのある老後」の実現というより、現役時代やパートナーが健在だったときの生活を維持できるよう「灰色の老後とならないための対策」がメインとなっています。
60歳代前半の年金収入が見込めなくなったこと(年金は原則65歳から支給)から、定年後も65歳までは働くことが半ば常識化しています。
かつては、仕事を離れ悠々自適の生活を送るのが「ハッピーな老後」のイメージだったかもしれませんが、寿命が延び、男性の4人に1人、女性の2人に1人が90歳まで生きる現在においては、長く社会に関わることが「ハッピーな老後」なのかもしれません。

老後の家計破綻を防ぐために必要なことは?

将来の不透明感は増しており、20年以上先の老後がどのような環境になっているかはイメージしにくくなっています。
ですから、夢のある20年、30年後を描く前に、老後の家計破綻を防ぐためのプランを実行することが大前提となります。
そのためには40代をうまく過ごすことが重要で、50代になって慌てなくて済みます。

では、具体的にどんなことをやっておくといいのでしょうか。
まずは「支出管理を徹底する」ことです。
食費・光熱費・通信費・医療衛生費など、基本生活費が最低どれだけ必要か把握しておくことが大切です。
年間支出を整理すると、必ず何に使ったか思い出せない使途不明金が出てくるものですが、これらは無駄遣いであることが多く、貯蓄可能額となり得るものなので、暮らしていくのに最低限必要な生活費以外の支出は、今後優先順位を決め、なし崩し的に支出しないよう心掛けましょう。

住宅ローンや保険の保障内容の確認も大切です。
「住宅ローンは繰り上げ返済したほうがいいか」というご質問をお客様からよくいただきますが、限られた資金で老後の準備をしていかれる場合、老後資金の目途をつけられたうえで慎重に検討していただきたいです。
また保険の保障内容も、加入されてから時間が経っている方は見直されてみると、今のライフスタイルに合っていない、保障が足りないといったことに気づかれるケースもあります。
「うちの場合はどうかな?」と気になられたら、ファイナンシャルプランナーに相談してみましょう。
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収入1000万円以上でも貯蓄ゼロの世帯が1割

2人以上・年収750~1000万円未満の世帯の貯蓄ゼロ率が9.7%、年収1000~1200万円未満の世帯の貯蓄ゼロ率が10.3%というデータがあります(家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]令和元年調査結果)。

私自身もご相談の場で強く感じることなのですが、比較的高収入の世帯の方が、貯蓄額が少なかったり、しっかりとした貯蓄の習慣がなかったりするケースはとても多いです。
収入が高いと、貯蓄を取り崩したり一時的な借入をしなくても家計が回るため、入ってくるだけ使ってしまいます。
「収入ダウンに備えてもっと貯蓄に回さねば」という危機意識も持ちにくく、また、どこかに「貯める気になればいつでも貯められる」という気持ちがあり準備を後回しにさせていると感じます。

退職したら現役時代に比べて一気に支出が減り、生活費をコンパクトにできるかと思われるかもしれませんが、意外と大きくは変わらないものです。
「老後はまだ先だからそのうち」「あまりお金や貯蓄に頓着がないけど、なんとかなっているから」というのも禁物です。
日頃の家計管理と貯蓄について早いうちに考え、習慣づけを心がけてください。

漠然とした不安からくる「とりあえず貯金」をやめる

弊社は女性向けマネーセミナーを開催しており、女性からのご相談を多くいただきます。
特にシングルの女性は、この世代から将来のことを真剣に考え、ご自身で準備をしていかなくては、と考えておられる傾向が強いです。

もちろん貯蓄の意識も習慣もきちんとあるのですが、この世代の方とたくさんお話する中でよくお聞きすることは「それでもなんとなく不安」ということです。
せっかく貯蓄の習慣があるのに、「何かあったときのために」「将来安心したいから」という気持ちで、「これで大丈夫かな~?いくら貯金すればいいのかな」と不安が消えないままではもったいないです。

老後も含めこれから先どれだけの準備がいるのか、またそれをどのように用意していくのか、一度確認をしてみてください。
「なかなか自分で判断できない」「何から手をつけていいのかわからない」時は、ファイナンシャルプランナーに相談してみると良いかと思います。

「将来が不安」でやみくもに貯蓄するよりも、「老後が楽しみ」と感じられるような計画的な貯蓄について楽しく考えることができたら理想です。

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