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家計に役立つシェアリングエコノミーの活用法

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皆さんは「シェアリングエコノミー」ってご存知ですか?

シェアリングエコノミーとは、インターネットを介して個人と個人の間で使っていないモノ・場所・技能などを貸し借りするサービスのことです。ジェイアール東日本企画の調査では、「これ以上持ち物を増やしたくない」との回答が半数以上(52.1%)あり、様々なサービスが登場しています。

そこで今回は、支出を抑えたり収入につなげたりと家計に役立つシェアリングエコノミーのサービスをご紹介したいと思います。

「空間」のシェア

空間のシェアとは

代表的なものとしてまずは、民泊が挙げられます。欧米では昔から個人の家をバカンスで留守の期間、誰かに貸し出す習慣がありましたが、2008年にアメリカでスタートした「Airbnb(エアビーアンドビー)」によって、一気に世界中に普及し、利用者・提供者ともに増えて民泊市場は拡大しています。
日本でも特区による民泊が許可されましたが、空き家や空き室を利用した違法な民泊が増えたことから、2018年6月15日に施行された住宅宿泊事業法(民泊新法)で、「都道府県への届け出」や「営業日数は年間180日以内」などが規定され、「不在時の管理業者への委託」などが義務化されました。さらに自治体ごとの条例による地域や曜日の規制も始まり、個人事業者などの多くが廃止・撤退し、民泊サイトへの登録数は激減しました。代わって現在は、大手企業がぞくぞくと民泊事業に参入しています。

住宅以外にも、空いているスペースを貸し出し、有効活用するケースが増えています。コワーキングスペースは、会員登録すれば30分単位などからオフィスを借りることができ、外出先で仕事をしたい営業マンやフリーランスが利用するケースが多いそうです。既存の店舗の店先を借りて1日から店を開くことができるサービスもあり、借り手にとっては、使いたい時間や日数だけ手軽に利用できるのが魅力となっています。
貸し手側にもメリットがあり、営業時間外の小売店や飲食店、利用しない時間が多い会議室やセミナールームなどを時間単位で貸し出すことで、収益を得ることができます。

具体的なサービス

Airbnb(エアビーアンドビー)
予約可能な施設が191ヵ国に約500万件、81,000都市に200万人の利用者がいる宿泊プラットフォーム。日本では36社と提携し「Airbnb Partners」で独自の施策を展開。

STAY JAPAN(ステイ ジャパン)
住宅宿泊事業法、特区民泊、旅館業法に登録された合法民泊のみを扱う日本最大級の民泊予約サイト。農業漁業体験ができる農泊なども。

toppi!(トッピ!)
三井不動産リアルティが運営。空きスペースを有効活用したい人と、外出先で駐車場を探すドライバーをマッチングする、事前予約駐車場サービス。

「モノ」のシェア

 モノのシェアとは

衣服や家電などを買わずに借りるレンタルサービスや、自分が使わなくなったものを次に必要な人に売るフリーマーケットなどで行われています。これまでは、モノを所有することが経済的な豊かさを示していましたが、年齢や家族構成によってライフスタイルが変化し、欲しいものや必要なものがすぐに変わってしまう現代では、所有にこだわらない考え方も浸透してきています。

「所有から共有へ」と言われるように、モノは必要なときだけ借りたり、中古で買って使うというスタイルも定着。この方法は、購入して所有し続けていくという従来の方法よりも消費支出を減らし、身の回りのモノも減らしてすっきり暮らせる効果も期待できます

具体的なサービス

メルカリ
日本最大のフリマアプリ。スマホで写真を撮るだけですぐに服や雑貨など、何でも出品して個人間売買ができる。「売っていないものはない」というくらいあらゆるものが出品されている。月間利用者数は1,000万人以上。

着ルダケ
男性用ビジネスウェアを月額制で2年間、自分専用でレンタルできる。春夏と秋冬の各シーズンに合わせてウェアを届け、衣替え、クリーニング、保管、返却までを一連のサービスとして提供する。

「スキル」のシェア

スキルのシェアとは

空いた時間に家事・育児を手伝ったり、IT関連などの専門性の高い仕事を請け負うなど、自分が得意なことを提供して利用してもらうサービスのこと。スキルの提供者と利用者を結ぶプラットフォームを介して、副業やフリーランスなど、雇用によらない柔軟な働き方ができ、人のスキルを手軽に利用できます。プラットフォーム事業者は、ニーズのマッチングと、提供者と利用者の情報交換、トラブルのない簡単な決済、レビューなどの評価の場を提供。これらの機能により、個人の能力や提供可能な時間帯などの情報を、リアルタイムに不特定多数の人で共有することが可能になりました。

スキルを提供する側になれば、自分が得意なことや知識、経験を活かして収入を得ることができるため、育休中の女性やリタイアメント層も市場参加して、働き稼ぐことができます。利用する側は比較的割安な価格で、家事や子育てを助けてもらえる、学びの機会が得られる、仕事の助けが得られるなどのメリットがあります。

具体的なサービス

Lancers(ランサーズ)
「仕事を依頼したい人」と「仕事を受注したい人」がネット上で出会える国内最大級のクラウドソーシングサービス。Web制作、デザイン、ライティングなど、多種多様な仕事がある。

AsMama(アズママ)
子どもの送迎や託児を顔見知り同士で助け合うアプリ「子育てシェア」を提供する。各地域の認定サポーター「ママサポ」を中心に交流イベントでつながりをつくり、子育てをはじめとした地域の困り事を解決しようという取り組みを行っている。

「移動」のシェア

移動のシェアとは

大きく分けると、ライドシェア(相乗り)、カーシェア、シェアサイクル、の3つがあります。
このうちライドシェアは、国内ではドライバーが優良で利用者を送り届けるタクシー的な利用は制限されています。一方、ドライバーと同じ方面や目的地に移動する人を、Webやスマホのアプリなどでマッチングさせる「相乗り」は認められています。この場合、ドライバーは予め登録することが必要で、ガソリン代・高速代などの実費は割り勘にできますが、それ以上の礼金は受け取れません。

会員登録することで必要なときに必要なだけ車を利用できるカーシェアや、携帯電話会社などが運営する自転車のシェアサービスは各地で普及しています。さらに、自分の車を貸したい人と借りたい人をマッチングする個人間のカーシェアリングのプラットフォームも登場しています。

具体的なサービス

タイムズカープラス
タイムズ24が運営。スマホで乗りたい車を簡単に検索できる。利用料金に対人補償・対物補償等が含まれるなどサポートも充実。

Anyca(エニカ)
DeNAが提供。一般オーナーが所有する車をシェア。幅広いバリエーションの車を選べる。ドライバーは東京海上日動の1日自動車保険に自動加入。

まとめ

今回ご紹介したサービスはほんの一部で、シェアリングエコノミー協会がサイト上に公開している「シェアリングエコノミー領域map」を見ると、実に様々なサービスが存在しています。時代の変遷に伴い豊かさの定義も変わり、必ずしも所有を求めない傾向へと価値観が変化している中、シェアリングサービスは益々発展していくと思うので、上手に自分の生活に取り入れていきたいですね。