3つめの「どうなる?」〜自分が死んだら資産運用、投資はどうなる?
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〜シングルの自分が死んだときに考える3つの「どうなる?」を銀行員が解説します・第3部
いま独身の自分が死んだら何が起きるか?を一度整理して考えてみましょう。
- 自分が死んだら不動産はどうなる?
- 自分が死んだらローンはどうなる?
- 自分が死んだら資産運用、投資はどうなる?
そのとき何がおこるか?まずいことはなにか?今からできることはないか?を考える、今回はその第3部:3つめの「どうなる?」〜自分が死んだら資産運用、投資はどうなる?というお話です。
この第3部で3つのどうなる?のお話は終わりとなりますので、最後にまとめで振り返りたいと思います。
このページの目次
3つめの「どうなる?」〜自分が死んだら資産運用、投資はどうなる?
シングルの人が死亡して、それまでの資産形成として運用や投資はどうなるのでしょうか?
投資、運用は「解約して相続人へ」が基本(銀行の場合)
預貯金の相続は金融機関により差はありますが、基本的に相続の手続きとなり、イメージとしては不動産と同様に遺産分割協議書に基づいて、指定された人が相続財産として受け取ります。(協議書なしで、一括して一人が受け取り、あとは遺族の中で分配するなども)
以前に比べ、金融機関の預金相続手続きもかなり簡素化はされたのですが、それでも何度か来店したり、印鑑証明や戸籍など必要書類を揃えるのに手間と時間はある程度必要です。
とはいえ預貯金に関しては、たとえば100万円の定期預金なら100万円を受け取ることができ、元本割れになることはありません。(中途解約になり、定期の満期利息が貰えない場合はありますが)
しかしながら、これが投資運用商品になると話が違ってきます。
それはなぜかというと投資信託などは原則として即座に解約し、相続人が解約金を受け取るのが基本だからです。
解約時点(具体的には受け取る相続人が決まり、解約などの手続きが完了したとき)の評価額で中途解約されるので、つまり死亡したら儲かっていようが損していようが強制的に受け取らされるのが原則なのです。
とはいえ、もともと死亡した本人のお金だったわけですから、仮に300万円の投資が元本割れして200万円になったとしても、損したのは死亡した本人で、相続人は損したわけではないとも言えますが、これは考え方の問題でもあります。
もちろんこれとは逆に、相続で受け取った投資金が莫大なら相続税などが発生する可能性もあります。

個人年金保険
運用商品として「個人年金(保険)」もありますが、保険と名前がついているように、これらは商品内容により、満期返戻金は自分で受け取るが、途中で死亡した場合は◯◯に、と死亡時の受取人を予め決める形式などもあります。
したがってこうした個人年金の投資では、たとえば「いま運用している物があって、私が死んだときにとりあえずお母さんが受取人になってるけど、気にしないで!」などと家族に話した記憶があれば、契約内容を確認しておく必要はあります。
保険と言っても投資なので、受け取る人や金額によっては想定外の税金(贈与や相続税など)が発生する可能性もあるからです。
外貨建商品
外貨建の投資や運用にも注意が必要で、それは死亡しても外貨でそのままになる可能性があるという点です。
たとえば本人が死亡して外貨建運用商品を中途解約することになったが、外貨として受け取る事になった場合、相続で誰かが受け取るにしても、為替相場によって大きな損失となったり、逆に為替差益で税金が発生したりする可能性があるからです。
また、仮に外貨のまま相続する場合も、受け取った人が外貨の運用経験が皆無だったりすると、財産より負担を残してしまいかねませんので、やはり注意が必要です。
投資信託、株式(債権)
投資信託や株式投資(債権も同様)も、この章の冒頭で説明した通り解約して相続するのが基本です。
ただし投資信託にも種類がいろいろあります。
たとえば、日々決算型のMRF、MMFといったもの、それから上場投資信託(REITやETF)と呼ばれる投資信託、そしてそれ以外のいわゆる一般的な投資信託では解約したときの評価方法がそれぞれ異なり、場合によっては相続税の対象になる可能性もあります。
またこの点は株式投資も同じで、自分が死んだらというより現状を把握できるように一覧表にまとめておいた方がいいでしょう。
国税庁/タックスアンサー(よくある税の質問)/No.4644 貸付信託・証券投資信託の評価
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hyoka/4644.htm

ここまでのまとめ〜3つめの「どうなる?」〜シングルの自分が死んだら資産運用、投資はどうなる?
投資や運用の場合も、基本的には借金と同じ考えで「明日自分が死んだら今の運用はどうなるか」をきちんとまとめておくことをおすすめします。
複数の運用や投資をされているなら、契約内容や現在の成果などを整理して把握することのもなりますし、以下のようにチェックすることもできるからです。
- 自動解約されて本人口座に入金されるか?手続きが必要か?
- 手続きしない限りは運用が継続されるのか? 運用は一時停止となるのか?
- 死亡保険金など受取人が指定されているか? 受け取る人を決める必要があるのか?
- 解約の手続きが必要ならその手続き方法は?
- 相続人でも手続きが可能か?
考えはじめると、疑問や心配はいくつも浮かんでくると思います。

まとめのまとめ〜3つの「どうなる?」を振り返って
なにより大事なのは、死亡に限らず自分に何かあったとき、金融機関や保険会社など親身に対応してくれる担当者ほど頼りになるもので、その逆もまた然りです。
「自分が死んだらどうなるの?」と質問をぶつけて、それに真摯に答えてくれるか?あるいは面倒くさそうな対応をしたり、曖昧に答えたりするなら、その担当や会社はどこまでしっかりと対応してくれるか疑問です。
こういった心配も、やはり信頼できるお金とライフプランのプロであるFPと一緒に、自分の死後を考えるべきだと、銀行員の私は(本気で)考えています。
もちろん銀行員にも相談して欲しいのですが、どうしてもノルマがある私たち銀行員には、悔しいですが対応に限界があるからです。
この記事が、あなたのこれからに参考になれば幸いです。