知識のアップデートをしよう!親世代とは違う現代のお金事情
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預貯金や投資、そして不動産や住宅ローンなど、親世代と考え方にギャップを感じたことはありませんか。「お金は預貯金で増える」「早めに住宅ローンを返して楽になったら?」という話を聞かれた方もいるかもしれません。
なぜ、親世代と50代の方とでお金についての考え方が違うのでしょうか。今回は、親世代と現代のお金事情の違いについて解説します。これからの時代の資産形成についても触れていきますので、ぜひ参考にしてください。
このページの目次
現代とは大違い!1990年代前半までのお金事情
現代のお金事情は親世代が40~50代だった頃とは大きく異なっています。どのように違うか確認してみましょう。
資産は預貯金で増やせた親世代
「銀行に預けておけばお金は増える」と親世代から聞いたことがある方は多いでしょう。なぜ、そのように考えるのか、1980年代後半~1990年代前半、そして現代の預金金利、そして1年後の元利合計金額からご紹介します。
※500万円預け入れの場合。1年複利で計算、税金は考慮していません。
年月 | 定期預金(1年)の年金利 | 1年後の元利合計 |
---|---|---|
1988年2月 | 3.39% | 5,169,500円 |
1990年2月 | 4.75% | 5,237,500円 |
1991年1月 | 6.08% | 5,304,000円 |
1992年8月 | 3.82% | 5,191,000円 |
1993年9月 | 2.18% | 5,109,000円 |
2024年11月 | 0.125% | 5,006,250円 |
最も高い時は年6.08%もあった定期預金(1年)の預金金利ですが、2024年11月は年0.125%となっています。1年後の元利合計金額も30万円ほど違いがあります。「預金だけでお金は増える」と主張する親世代がいるのは、このような時代を見てきたからなのでしょう。
不動産価格の変化
親世代の中には、金利が高い住宅ローンを早めに完済し、その後、家を売却して資産を増やした方もいるでしょう。その経験から「住宅ローンは早めに完済したらいい」と子世代に伝える方もいるようです。
しかし、上昇の兆しがあるとはいえ、今のところ住宅ローン金利は低金利状態で推移しています。金利分の負担を減らすための早期返済はそれほど考える必要がありません。
また、30年ほど前と比較すると、地価も下落しており、現在は不動産を売却しても期待するほど利益が出ない可能性もあります。
三大都市圏 地価平均価格(住宅)
年 | 1㎡あたりの価格 |
---|---|
1987年 | 263,400円 |
1990年 | 466,400円 |
1991年 | 491,100円 |
1992年 | 410,500円 |
1993年 | 331,300円 |
1998年 | 249,600円 |
2003年 | 188,900円 |
2008年 | 198,400円 |
2013年 | 169,900円 |
2018年 | 186,700円 |
2023年 | 204,100円 |
さらに、近年は「人口減による家余り」で売りに出しても売れない家が多数あります。これらの点から考えると、現代では住宅ローンの早期返済や不動産売却での資産作りは難しいのではないかと思われます。
物価はどのように推移した?
総務省の「消費者物価指数」から、物価は親世代の時とどう変化したかを確認してみましょう。
グラフを見るとお分かりの通り、物価は近年上昇していますが、1990年代初期から長期間停滞が続いていました。
先にご紹介したように、1990年代初期は預金金利が非常に高く、預けるだけでお金が増える時代でした。さらに1980年代後半から、不動産売却や次章以降でご紹介する「投資」を上手に利用し、資産を増やしていた方もいるでしょう。給与も右肩上がりを経験したかもしれません。その上、物価が停滞していたとなると、今よりもやりくりがしやすい時期が長かったことが推測できます。
物価が停滞しており、資産を増やす手段が多い時代を過ごした親世代より、今の50代の方がお金のやりくりが大変になってきているといえるのです。
投資は怖い?親世代の常識
資産を増やす手段として、「投資」を思いつく方もいるでしょう。しかし、親世代に相談すると「投資は怖い」という意見が出ることも少なくありません。親世代に投資を怖がる人が多い理由を解説します。
上のグラフは、TOPIX(東証株価指数)の1987年1月~1992年12月の推移を表したものです。
1980年代後半、日本では景気高揚のため金利を下げるという施策を行っていました。そのため、お金を借り株式や不動産に投資する企業も多く、株価や不動産価格は急上昇しました。これが「バブル経済」といわれるものです。個人もその流れに乗り、投資にチャレンジする人が増えます。TOPIXも1989年12月に2884.80ポイントという高い値を付けました。
しかし、バブル経済は1989年の金融政策転換、1990年の総量規制実施により終わりを迎えることになります。株価や不動産価格も大きく下落し、大きな損失を抱える企業や個人も多く出現しました。
このような状況もあり「投資は怖い」と考える親世代が増えたのです。
50代が資産を増やすべき理由
これまで、親世代と50代のお金事情の違いをご紹介しました。親世代からはさまざまな意見が出るかもしれませんが、50代の方は自分で資産を増やす努力をした方が良いでしょう。
まずは、以下をご覧ください。金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」より、50代(単身世帯・金融資産保有世帯)の金融資産保有額をグラフにしたものです。なお、性別の区別なく調査したものとなっています。
平均値、中央値も確認し、自分の資産保有額がどの程度のレベルにあるかを把握しておきましょう。
平均値 | 2,288万円 |
中央値 | 555万円 |
年金に頼れない世代は自分で資産を作ろう
少子高齢化などの理由もあり、将来受け取れる年金額の減少が不安視されています。生活のためだけでなく趣味を楽しめる老後を送るためには、月20万円使える程度は準備しておきたいところです。
これまでの貯蓄もあるとは思われますが、生活や趣味を楽しめるように、そして、周囲の人や親族とのお付き合いの際に困らないよう、積極的に資産作りをする必要があります。
長生きに備えて資産を作ろう
厚生労働省が発表している「令和5年簡易生命表」によると、女性の平均寿命は87.14歳です。
50代の方であれば、平均寿命まで30年以上あります。「貯蓄しているから大丈夫」と思われる方もいるかもしれませんが、年齢を重ねると働けなくなり収入は減少します。長生きすればするほど資産は目減りするのです。さらに、資産があっても以下のようなリスクが発生した際に使う可能性があります。
- 病気やケガ
- 自宅の修繕、バリアフリーへの改築
- 自身の介護(高齢者用住宅に入る、お手伝いの人を呼ぶ、など)
いざという時に使えるよう、なるべく多く資産を作っておきましょう。
50代の資産の作り方
50代の方がこれから資産を作るための方法をご紹介します。
預貯金
銀行や郵便局にお金を預けるという方法です。先に触れた通り、現在は低金利状態のため、預貯金だけ資産を増やすことはほぼ不可能です。しかし、お金が手元にあると使ってしまうという方は、とりあえず預けるという方法を検討してください。
また、定期預金に預ける手続きが面倒、という場合は、定期的に指定した金額を普通預金口座から自動で定期預金口座に移し替えるサービスもあります。
仕事
最近は、定年年齢の延長で長い期間働ける企業も増えています。厚生労働省の「令和4年就労条件総合調査」 では、一律定年制を定めている企業のうち、定年年齢を65歳以上としている企業の割合が24.5%という調査結果も出ています。働く期間が長くなると、それだけ収入や資産も増やせるはずです。
また、副業で収入を増やすという方法もあるでしょう。副業を続けると定年退職後に収入の柱になるかもしれません。ただし、以下の点には気を付けてください。
- 勤務先が副業を認めているか確認する
- 勤務先に副業についてのルールがないか確認する(副業可能時間の制限、労働時間の制限など)
- 副業をする体力があるかよく考える
支出の見直し
資産を増やすためには、無駄な支出を減らすことも重要です。支出の見直しの際によく挙げられる項目には次のようなものがありますので確認してみましょう。
住居費 | 安い家賃の家に引っ越す 住宅ローンの見直し |
通信費 | 格安スマホに切り替え 使わないサブスクリプションサービスの解約 |
保険料 | 無駄な保険に入っていないか |
自動車関連費用 | 自動車保険の見直し カーリースに切り替える |
水道光熱費 | 契約プランの見直し 省エネ家電を購入 |
代表的な例を挙げましたが、支出の見直しは自分だけで行うのは難しい部分もあります。お金のプロの手を借りることも考えましょう。
投資
親世代の方の影響で「投資には手を出したくない」と思っている方もいるかもしれません。しかし、低金利の今、投資での資産作りも積極的に考えたほうがよいでしょう。
投資の種類には「株式」「投資信託」「債券」「不動産」などがありますが、人によって「合う」「合わない」があります。また、投資に使える金額や取れるリスクの違いもあります。これらの点には気を付けてください。
50代の資産作りで押さえておきたいポイント
50代からの資産作りで押さえておきたいポイントをご紹介します。
自分のマネープランをはっきりさせる
定年退職までに作っておきたい金額を具体的に考えてみましょう。その際は、定年までの給与、退職金、年金がどの程度受け取れるのかも確認することをおすすめします。
具体的に考える
「退職金2,000万円を運用したい」「貯金を3,000万円作りたい」など、具体的に考えてみましょう。金額も具体的にすることで自分に必要な運用方法も見えてきます。
プロの手も借りる
「マネープランをはっきりさせる」「具体的に考える」とはいっても、何か始めたらいいのか全く分からない方もいるかもしれません。また、これから数十年間働ける20代、30代とは違い、定年も近づきつつある50代は資産作りで大きな失敗ができません。できれば、お金のプロの手も借りながら、資産作りを考えていきましょう。
お金の相談ができる場所を持とう
50代は親世代とは異なり、預貯金だけで資産形成はできません。積極的に家計の見直しを行い、投資なども活用しながら資産を作っていきましょう。
しかし、家計見直しや投資は自分ひとりだけで行うのは難しいと思われます。できればお金の相談ができる場所を持っておきましょう。相談ができる場所の例をご紹介します。
セミナーに参加してみよう
お金についてのセミナーに参加して話を聞いてみましょう。セミナーでは「老後の備えについて」「どのような投資商品があるのか」「投資の方法について」など、さまざまなテーマについてお金のプロの話が聞けます。資産作りが大事だと分かっているけれども、何から始めたらいいのか分からないという方におすすめです。
ただし、セミナーの中には「運営者がはっきりしない」「テーマがあいまい」「特定の商品、投資方法ばかりすすめる」など、おすすめできないものもあります。怪しい部分はないか、そして、自分のニーズに合っているかをしっかり確認した上で参加してください。
個別に相談してみよう
セミナー後、個別相談会が行われることがあります。家計の見直しや自分のライフプランに沿った話を聞きたいのであれば、ぜひ参加してください。自分だけのアドバイスがもらえるはずです。
また、個別相談会に参加する際は、継続して相談ができるのかも確認しましょう。1回の相談だけでは分かったつもりになるだけです。担当者に付いてもらい、何度も相談に乗ってもらった方がより詳しい話が聞け、アフターフォローもしてもらえます。
まとめ
親世代から「投資は怖い」「預貯金がいちばん」と聞かされてきた50代の方々は、投資や資産作りに対して保守的になりがちです。
しかし、現代は投資も上手に利用し、資産を作らないといけない時代です。怖がりすぎることなく挑戦してみましょう。
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