「定年後の生活苦」に要注意!豊かな老後を過ごすためにできること
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「定年退職しても、退職金や年金があるから安心して生活が送れる」と考えていませんか?退職金や年金は老後の生活を助けてくれるものですが、それだけで絶対安心とまではいえません。
定年後にかかる生活費の実態や退職金や年金だけでは足りない理由を確認し、足りない分をどうやって埋めていくかを考えてみましょう。
このページの目次
定年後の生活はどうなる?
総務省の「家計調査」(2023年)によると、65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の家計収支における平均収入は12万6905円、平均支出は14万円5,430円、消費性向は126.8%となっています。また、支出割合が多い項目は以下となっています。
項目 | 金額 | 支出割合 |
食料 | 4万103円 | 27.6% |
交際費 | 1万5,990円 | 11.0% |
教養娯楽 | 1万5,277円 | 10.5% |
交通・通信 | 1万5,086円 | 10.4% |
光熱・水道 | 1万4,436円 | 9.9% |
教育娯楽費のように楽しみのための支出が10%を超えています。また、親族や友人との付き合いのための交際費も多いようです。これらの点から、定年後でも生活費以外に使えるお金を十分に持っておいた方がよいことが分かります。

老後の生活、こんなところに気を付けて!
支出が収入を上回る生活が続くと、徐々に貯蓄が目減りします。貯蓄を減らさないために老後にお金がかかりやすいところをチェックしてみましょう。
家賃や住宅ローン
定年後住まいに関する費用が負担になる可能性があります。賃貸住宅に住んでいる場合、家賃の安い家に引っ越すことも検討しましょう。また、持ち家の場合は、住宅ローン返済が難しくなるケースがあります。現役のうちに「住宅ローン借り換え」や「繰り上げ返済」など、定年後の返済負担を軽くする方法を考えておきましょう。
生活費(食費・日用品費・水道光熱費)
生活費の負担が老後の生活を圧迫する可能性があります。「家計簿を付けて支出管理をする」「無駄な買い物をしないよう心がける」などの対策を考えましょう。
医療費
病気の治療費が老後の生活の負担になることも考えられます。健康に気を付けるのはもちろんですが「必要な保険に入る(ただし、無駄な保険には入らない)」「いざという時のために貯蓄をしておく」ことを検討しましょう。
家の修理費用
家はある程度の期間居住していると傷んできます。定年後に修理のタイミングが来る場合もあるため貯蓄等で備えておきましょう。
お付き合い(親族・友人)
冠婚葬祭や友人との旅行や食事会の機会が多くなることで、貯蓄が目減りする可能性があります。「定年後は付き合う人を厳選する」「食事会の回数を減らす」など、人との付き合い方を見直しましょう。

年金はいくら受け取れる?「ねんきん定期便」をチェック!
老後の収入の柱の一つになるのが「年金」です。厚生労働省の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2022年の厚生年金保険(第1号) 受給者の平均年金月額は14万4,982円となっています。
自分が受け取れる年金額を知ろう
年金額は人によって異なります。定年後の生活をイメージできるよう、自分がどのくらいの年金を受け取れるかを知っておいてください。自分の年金見込額は、1年に1回誕生月に届く「ねんきん定期便」で確認できます。
50歳以上の方に届くねんきん定期便の概要は以下の通りです。
送付形式 | 通知内容 | |
50歳以上 (59歳以下) | はがき | 保険料納付額月別状況(直近13月)年金加入期間これまでの加入実績に応じた年金額 |
59歳 | 封書 | 保険料納付額年金加入期間老齢年金の種類と見込額年金加入履歴月別状況(全期間) |
出典)日本年金機構:「ねんきん定期便」の概要
「ねんきんネット」に登録しておけば、はがきや封書の到着を待たずにスマートフォンやパソコンから自身の年金記録がいつでも確認できます。条件を設定し、将来受け取れる年金の見込額の試算もできますので利用してみてはいかがでしょうか。はがきや封書といった郵送物が不要な方は「郵送物停止」の手続きもできます。
日本年金機構「ねんきんネット」登録ページ
なお、ねんきん定期便ですが、記載されているのは「老齢年金」についてとなっており、遺族年金については記載がありません。この点は気を付けて下さい。
年金は減りつつある?その理由とは?
ねんきん定期便を確認して「思ったよりもらえる年金額が少ない」と感じる方もいるのではないでしょうか。ここ数年間で平均年金月額がどのように変化しているかを確認してみましょう。
老齢年金額 | |
2018年 | 14万5,865円 |
2019年 | 14万6,162円 |
2020年 | 14万6,145円 |
2021年 | 14万5,665円 |
2022年 | 14万4,982円 |
出典)厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
上の表内で最も高かった2019年と最も低かった2022年を比較すると、1,000円以上の差があります。年金は毎年変化しない、もしくは徐々に高くなる、というわけではありません。「物価・賃金の変動率」や「マクロ経済スライド」を理由に毎年改定されています。
物価が上昇すると年金額も上昇しますが、物価上昇幅と完全にリンクはしていません。よって、受取年金額が少なく、欲しい物が買えないケースが出てくる場合があります。
さらに少子高齢化問題もあり、年金の積立額も減少しています。将来年金を安定的に受け取れなくなる可能性が少なからずあることを頭に入れておく必要があるでしょう。

退職金と年金だけでは足りない!理想の老後生活とは?
仕事から解放される定年後、趣味を楽しみ充実した人生を送りたいと考えている方もいるでしょう。定年を迎えた方に人気のある趣味・楽しみの例をご紹介します。
- 旅行
- テレビ・ドラマ鑑賞
- グルメ
- 映画鑑賞
- 読書
- スポーツ
- 音楽
- ガーデニング
- ドライブ
- ペット飼育
上記の中に気になるものはあったでしょうか。旅行やグルメなどを満喫するためにはどうしてもお金がかかります。総務省の家計調査からご紹介した「教育娯楽費」や「交際費」の金額程度では足りない、という方も多いでしょう。
お金は「生活できるくらいあればよい」ではなく、十分に持っておくのがベストといえます。働いており安定的に収入がある現役のうちから、余裕のある老後を送るためにどうしたらよいのかを考えることをおすすめします。

豊かな老後のためにできること
女性は寿命が長いため、退職金+年金だけではお金が足りなくなる可能性もあります。充実した老後のためにしておきたいことをご紹介します。
支出を把握しておく
家計簿をつける、クレジットカードの明細を見直す等、しっかりと支出を把握しておくことをおすすめします。特に以下の支出は「なんとなく出て行っている」という場合も多くあります。必ず確認しましょう。
- 食費
- 光熱費
- 住居費(家賃・住宅ローン)
- 通信費(インターネット・スマホ関連)
- 保険料
収入を増やす
現役のうちから副業や転職で収入を増やすことを考えてみましょう。また、勤務先に定年後の再雇用制度があるかも確認してください。働き続けると安定的に収入が確保できます。
ただし再雇用の場合は、現役時代よりも収入が減る、健康問題で希望する働き方ができない、などの問題が生じる可能性もあります。場合によっては、生活費不足を補填できるほどの収入が得られないこともありますので気を付けて下さい。
資産運用をする
資産運用も検討しましょう。代表的な資産運用方法をご紹介します。
- 株式
株式会社が発行する株式を売買して利益を得る。業績等に応じて年に1~2回配当が出る会社も多い
- 投資信託
多くの投資家から集めた資金をまとめ、複数の株式や債券に分散投資を行う。投資先は専門家である運用会社が選定
- 不動産
マンションなどの投資用物件を購入し、人に貸すことで賃料収入を得られる。ある程度まとまった資金が必要
老後資金準備は何から始める?良い相談相手を持とう!
充実した老後を送るためには十分にお金を持つことが必要ですが、何から始めたらいいのか分からない方もいるでしょう。
老後資金準備はすぐにできるわけではありません。特に今まで家計見直しや資産運用について考えたことが無かった方であれば、かなり難しいはずです。もし、老後資金作りの方法を知りたいということでしたら、お金のプロの力を借りてみましょう。
お金のプロに出会える場所には次のようなところがあります。
- セミナー
老後資金作りや資産運用に関するセミナーが開催されています。自分の知りたいテーマを選んで参加してみましょう。
- 無料相談会
お金に関しての無料相談会もあります。現在の収入や将来の退職金予定額、受け取り予定の年金額、投資の経験等、自分の状況を伝えることでオーダーメイドのアドバイスがもらえます。
セミナー参加者向けに個別相談を行う場合もありますので、まずは積極的にセミナーに行ってみましょう。

まとめ
定年後、女性が豊かな老後を送るためには、現役時から老後資金作りを意識する必要があります。資金を作るためには「無駄な支出を把握する」「副業を始める」「資産運用する」といった方法がありますが、何から手を付けたらいいのか分からない場合は、お金のプロの話を聞いてみるのがいちばんです。お金のプロと共に、効率よく自分に合った資産作りの方法を探していきましょう。
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