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お金の常識、それって本当?自分に合った資産の守り方・増やし方を考えよう

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「もしもの時のためになるべく多くの保険に入っておいた方がいい」「老後のことを考えて住宅ローンは早めに完済した方がいい」など、お金の情報や常識をインターネットやテレビ等で多く見聞きします。

ただし、それらの情報は人によっては合わない場合も。世間でよく知られているお金の常識を検証し、自分に合った方法を考えてみましょう。

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住宅ローンの繰り上げ返済は早めにした方がお得?

住宅ローンの「繰り上げ返済」とは、残債を数カ月分もしくは数年分まとめて返済することです。利息を減らせるという効果があるため、まとまったお金ができたら、するべきだ考える人も多いようです。

繰り上げ返済の方法は2パターンあるので確認しておきましょう。

  • 期間短縮型:
    まとめて返済することで返済期間が短縮される。毎月の返済額に変化はなし
  • 返済額軽減型:
    まとめて返済することで毎月の返済額を減らせる。返済期間に変化はなし

「定年までに住宅ローン返済を終わらせましょう」という言葉でおすすめされるのは、主に「期間短縮型」の方です。しかし、期間短縮型の繰り上げ返済には注意すべき点もあります。

住宅ローン控除の対象外になる可能性がある

住宅ローン控除を受けている人が繰り上げ返済をして返済期間10年を切ってしまうと、住宅ローン控除が受けられなくなります。これからも住宅ローン控除を受けたいという場合は、繰り上げ返済後の返済期間がどの程度になるか必ず確認しましょう。

低金利状態が続いている

市中金利の上昇により、住宅ローン金利も上昇し始めましたが、まだ低金利水準は続いています。参考までに、ある都市銀行の住宅ローン金利の推移を確認してみましょう。

適用期間年金利(借入期間:20年超35年以内)
2024年1月3.09%
2024年3月3.17%
2024年5月3.08%
2024年7月3.17%
2024年9月3.10%
2024年11月3.19%
2025年1月3.29%
2025年3月3.41%

金利は上下しながらではありますが、1年ほどで0.4%ほど上昇しました。しかし、未だ3%台を維持しています。この状況から考えると、無理にでも資金を作って「直ちに繰り上げ返済すべき」というほどではないでしょう。

余裕資金が減る

繰り上げ返済で最も心配な点は10年以内に使う予定がない「余裕資金」が減ることです。老後になって必要な時にお金がない、という事態にならないよう繰り上げ返済する場合は、以下の点を確認しておきましょう。

  • 繰り上げ返済しても将来病気にかかった場合の医療費は確保できるか?
  • 将来、家族・親戚などの冠婚葬祭で大きな資金が出ていく可能性はないか?
  • 繰り上げ返済することで、老後の資金計画に変更は生じないか?
  • 旅行など老後に趣味を楽しめるくらいの資金は残しているか?

住宅ローン残高を減らすことにこだわりすぎて、老後資金を減らすのは絶対に避けてください。

お金の常識、それって本当?自分に合った資産の守り方・増やし方を考えよう

年金受給は繰り下げがベスト?

基本的に老齢年金(老齢基礎年金・老齢厚生年金)は65歳から受け取り開始ですが、その時点で受け取らず、65歳~75歳までの間で繰り下げて受け取ることも可能です(1952年4月1日以降生まれの方は繰り下げ上限年齢が70歳までとなります)。

繰り下げ受給を選択した場合、以下の割合で受給額の加算があります。

請求時の年齢増額率
66歳8.4%
67歳16.8%
68歳25.2%
69歳33.6%
70歳42.0%
71歳50.4%
72歳58.8%
73歳67.2%
74歳75.6%
75歳84.0%

出典)日本年金機構「繰下げ増額率早見表」

この表を見る限り、受給開始年齢を繰り下げるほど、もらえる年金が増えてお得のように感じます。しかし、注意点もありますのでチェックしておきましょう。

年金受給開始まで資産取り崩しが必要

年金受け取り年齢を繰り下げた場合、定年退職から年金受け取り開始まで自分の資産を取り崩す必要があります。もし、資産を取り崩すのであれば、毎月、毎年の予算を立て、その範囲内で生活するよう心掛ける必要があります。

なお、総務省家計調査(2024年)によると、60歳以上女性単身世帯の場合、1カ月の総支出は161,739円という結果が出ています。つまり1年間で約194万円は必要ということです。しかし、趣味や旅行を楽しむのであれば、この金額以上の支出も予想されます。年金受け取りを繰り下げるのであれば、毎年200万円以上の支出に耐えられるかをよく考えましょう。

亡くなる年齢によっては損になることも

年金を繰り下げ受給すると、受け取れる年数が少なくなることも忘れてはなりません。繰り下げたにも関わらず亡くなる年齢が早い場合、65歳から受取開始にするよりも受給額が少なくなる可能性があります。繰り下げ受給は、長生きリスクの対応法として考えておきましょう。

税金や社会保険料が増える可能性がある

65歳以上で配偶者控除や扶養控除、社会保険料控除がない方の場合、年間158万円を超える年金を受け取っていると所得税等が課税されます。繰り下げ受給で受取額が増えると、その分、支払う税金や社会保険料が増える可能性もあるため気を付けて下さい。

遺族厚生年金は繰り下げしても受取額は増えない

年金繰り下げで受取額が増えるのは、老齢基礎年金と老齢厚生年金です。遺族厚生年金は繰り下げしても受取額は増えないと理解しておきましょう。

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元本保証がない「投資」は避けた方がいい?

以前「知識のアップデートをしよう!親世代とは違う現代のお金事情」でもお伝えしたように、親世代の影響で「投資=元本保証がない=危ないもの」というイメージをお持ちの方もいるようです。

この説は本当なのか考えてみましょう。

預金だけでは資産は増えない

以下は日本銀行が発表している定期預金(1年 預入金額1,000万円以上)店頭表示金利の平均年利率推移表です。

年月年金利
2022年4月0.004%
2022年7月0.005%
2022年10月0.004%
2023年1月0.005%
2023年4月0.004%
2023年7月0.005%
2023年10月0.005%
2024年1月0.005%
2024年3月0.005%
2024年7月0.029%
2024年10月0.124%
2025年1月0.127%
2025年3月0.212%

ご覧の通り、2024年頃から預金金利は徐々に上昇しています。しかし、低金利水準が大幅に改善しているわけではありません。預金だけで資産を増やすのはまだ難しい状況といえるでしょう。

預金のみの場合、インフレリスクがある

物価高騰でインフレ状態になった場合、現金の価値は下落します。投資を利用して、資産を積極的に増やすことも考えた方がよいでしょう。

長期的に資産を増やすことを考えよう

投資について「株などの売買を繰り返して利益を得る賭け事」と思っている方もいるようですが、投資は短期的に売買を繰り返すだけではありません。数年~数十年単位でじっくりと増やす方法もあります。

最近ではNISAやiDeCoのように、利益などに税金がかからずお得に積み立てられる投資手法もありますので、利用を検討してはいかがでしょうか。

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病気が怖い!保険はたくさん加入した方がいい?

日本は高齢化が進行している国です。長生きすると、どうしても病気にかかり入院・手術するリスクも高まります。病気にかかっても資産を減らさないよう、保険にはなるべく多く加入しておいた方がいい、という説もありますが、正しいのか考えてみましょう。

保険料の支払いが必要

保険に加入すると、毎月保険料の支払いが必要です。多く加入していると支払いだけでも大きな負担になるため注意してください。

ちなみに、生命保険文化センター「生活保障に関する調査/2022年度」によると、女性の年間払込保険料は平均で16万円という結果が出ています。つまり、毎年保険料を16万円支払っている人は10年間で200万円近くかかるということです。

管理や給付金請求が煩雑になる

多くの保険に加入していると、それぞれの保険料払込日の把握が煩雑になります。

また、病気にかかり給付請求する際は、各保険会社で請求手続きを行わなければなりません。場合によっては、請求時に診断書提出を求められますので、何度か病院へ連絡する必要もあります。体調が良くない時にさまざまな手続きをすることを負担に感じる方もいるのではないでしょうか。

高額療養費制度で負担は減らせる

日本には「高額療養費制度」があるため、同一月の医療費の自己負担額が高額になっても、一定金額を超えた部分は後ほど払い戻されます。たくさんの保険に入っていないと医療費負担で家計が厳しくなる、とは限りません。

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自分のための資産形成方法を考えよう

ご紹介した通り、世間で広まっているお金の情報・常識が全ての人に当てはまるわけではありません。資産を守り、増やすためには自分に合った資産形成方法を見つける必要があります。自分に合う方法の探し方を解説します。

お金の勉強を始めよう

これまで、資産の守り方や増やし方を考えたことがなかったという方はお金の勉強を始めてはいかがでしょうか。お金の知識が学べる手段には次のようなものがあります。

  • 本や雑誌
  • インターネット
  • セミナー

本やインターネットで情報を探すのはお手軽ですが、「自分に合うレベルの情報を探すのが難しい」「真偽不明の情報も混じっている」というデメリットもあります。最もおすすめなのは、最新の情報が聞けるセミナーです。興味があるセミナーを探してみましょう。

お金の相談をしてみよう

資産形成に取り組むのであれば、自分に合った方法を探したいものです。お金のプロと対面で話ができる個別相談会で話を聞いてみましょう。現状や将来の予定などを確認しながら、必要な運用方法、保険を考えてみてはいかがでしょうか。

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まとめ

お金の守り方・増やし方は人によって異なります。本やインターネットでも「おすすめ保険」「おすすめの資産形成方法」が紹介されていますが、全ての人に合うわけではありません。また、それらの中には古い情報や真偽不明の情報もあります。

お金について真剣に考えたいのであれば、セミナーや相談会で直接お金のプロに聞いてみましょう。弊社では皆さまに正しいお金の情報をお伝えする無料セミナーや個別相談会を実施しております。老後の生活を充実させたい、資産形成に取り組みたいという方のご参加をお待ちしております。