【2025年最新版】銀行のキャンペーン金利は本当にお得?お得だからで済ませてはいけない理由を解説
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神戸のファイナンシャルプラニングオフィスでお金の相談を受けている私たちのもとには「お金を増やせる方法を探している」「老後のためにお金を貯めたい」というお声が多数寄せられます。その際、運用先として皆さんの候補に挙がるのが「銀行のキャンペーン金利」。通常の定期預金金利より少し金利が高いため、お得に感じるそうです。
しかし、一見するとお得に感じるキャンペーン金利ですが、落とし穴もあります。どのようなところに気を付けないといけないのでしょうか?
今回は銀行のキャンペーン金利の落とし穴について詳しく解説します。キャンペーン金利を利用するだけで老後資金が作れるかという疑問の回答もありますので、ぜひご覧ください。

このページの目次
銀行のキャンペーン金利とは?
銀行のキャンペーン金利とは、条件に合う人がお金を預けた場合や特定の期間内にお金を預けた場合、金利が上乗せされるというものです。
キャンペーン内容を具体的にご紹介しますが、どれも銀行が顧客を増やし、今後の取引につなげるために行っていると認識しておきましょう。
キャンペーン期間に預けると金利上乗せ
銀行が設定したキャンペーン期間内に定期預金に預け入れると金利が上乗せされます。まとまったお金が入るボーナス時期に行われることが多いようです。銀行の創業記念などで行われることもあります。
キャンペーン金利が適用されるためには、「10万円以上の新規預け入れ」「インターネット上からのエントリーが必要」といった条件が付けられるのが一般的です。
誕生月に預けると金利上乗せ
誕生月に定期預金に預け入れると金利が上乗せされるキャンペーンです。「誕生月の前月初日から翌月末まで」のように、預け入れできる期間に幅を持たせているケースもあります。
公的年金受取口座に指定すると金利上乗せ
公的年金の受取口座に指定することで、定期預金金利が上乗せされるキャンペーンです。新たに年金を受け取る人だけでなく、別の銀行から受取口座を変更する人にも適用されるケースが多いようです。
スポーツチームの成績に応じて金利上乗せ
プロスポーツチームの成績に応じて、定期預金金利が上乗せされるキャンペーンです。正式な上乗せ金利はシーズン終了時に決定します。
預金者を対象に観戦チケットやグッズが当たる抽選を行う銀行もあります。

キャンペーン金利の注意点
金利の上乗せは顧客にとってもお得に感じますが、銀行がキャンペーン金利を行うのは「顧客増と取引増」のためです。つまり、キャンペーン金利は銀行が得するために行っているといえます。注意点を詳しく確認しましょう。
金利上乗せ期間が数ヵ月で終わるものもある
キャンペーンによっては「金利上乗せは当初3ヵ月のみ」のように、短期間に限定されている場合があります。
キャンペーン金利の期間が1年続く場合と3ヵ月で終わる場合の利息金額の違いを以下で確認しておきましょう。
- 例)
金利0.3%の定期預金(1年)に500万円預ける
キャンペーン金利は定期預金金利+0.2%
キャンペーン金利の期間 | 1年後の利息金額(税引き前) |
---|---|
1年 | 500万円×0.5%=25,000円 |
3ヵ月 | 500万円×0.5%×3ヵ月÷12ヵ月=6,250円500万円×0.3%×9ヵ月÷12ヵ月=11,250円6,250円+11,250円=17,500円 |
キャンペーン金利期間の違いで、受け取れる利息金額にも差が出てしまいます。キャンペーン金利で預ける前に、広告やホームページで期間までしっかりチェックしましょう。
金利上乗せに条件が付く場合がある
金利上乗せのために、次のような条件を満たさないといけない場合もあります。
- 取引ランクが一定以上の人が対象(給与振込口座指定、公共料金引落口座指定など)
- 証券口座開設および証券口座と銀行口座の連携が必要
- 投資信託などの購入が必要
金利上乗せを別の取引につなげたいという銀行の思惑が隠れていることも多々あります。キャンペーン金利で定期預金に預けた後、銀行から他の商品をおすすめされる機会が増えた、というケースもありますので気を付けて下さい。
中途解約の際は中途解約利率になる
キャンペーン金利に限らず、定期預金は期間中に中途解約すると中途解約利率が適用され、受取利息が少なくなります。また、銀行によっては「一部解約の場合は1万円以上1万円単位」のように、解約金額が制限されることもあります。
定期預金の預入期間を確認し、すぐに使うお金を預けるのは避けてください。

物価上昇中!キャンペーン金利に預けているのにお金が減ってしまう?!その理由を解説
ちょっと過激なタイトルになってしまいましたが、とても大切なポイントをいまからお伝えします。
一般の定期預金と比べて、金利が高いキャンペーン金利の商品ですが、本当にあなたのお金は増えるのでしょうか?むしろ減ってしまうかもしれません。特に老後のお金が心配な方は、将来物価が上がっても対応できるように準備する必要があります。
参考として以下の表をご覧ください。2022年~2027年の消費者物価指数(除く生鮮食品)の上昇率の推移です。(2025年度~2027年度は見通し)
年度 | 対前年比 |
---|---|
2022年度 | 3.0% |
2023年度 | 2.8% |
2024年度 | 2.7% |
2025年度 | 2.2% |
2026年度 | 1.7% |
2027年度 | 1.9% |
出典)日本銀行「経済・物価情勢の展望」2025年4月
キャンペーン金利で運用するならば、この上昇率についていける程度にはお金を増やしておく必要があります。
しかし、銀行金利や上記の上昇率から考えると、2022年から銀行預金で100万円を運用しても、2028年3月末には約87万円程度の価値になってしまいます。お金はその信用力(国の保証)とモノやサービスと交換するための道具です。その交換できる能力がパワーダウン、つまりはお金の価値が下がってしまう可能性があります。この視点は大切です。
老後の資金作りを始めたいのであれば、銀行のキャンペーン金利に頼るだけではなく、物価上昇に負けない運用方法を選択すべきです。

物価上昇率を上回る資産運用方法とは?
銀行のキャンペーン金利だけでは、物価上昇率を上回れません。そこで、検討してほしいのが、株式や債券など複数の金融商品をパッケージした「投資信託」での資産運用です。
投資信託にはさまざまな商品がありますが、主に以下に分類されます。
インデックス型 | 株価指数と連動した動きを目指す投資信託 |
アクティブ型 | 株価指数を上回る動きを目指す投資信託 |
投資信託に組み込まれる金融商品も確認しておきましょう。
投資対象 | 株式・債券・不動産(不動産投資信託)・金など |
投資対象の地域 | 国内・海外・内外(国内海外) |
また、投資信託は商品によって運用成績が異なります。具体例をいくつかご紹介します。
投資信託 | 特徴 | 基準価額※ | リターン率 (年率・1年) |
---|---|---|---|
インデックス型米国株式ファンド | S&P500指数連動を目指す | 31,047円 | 3.48% |
インデックス型日本株ファンド | 東証株価指数連動を目指す | 21,562円 | 2.92% |
J-REITファンド | 日本の不動産投資信託(REIT)に投資する | 1,534円 | 6.21% |
上記で挙げた投資信託のリターン率はいずれも銀行の預金金利や物価の上昇率を大幅に上回ります。物価高騰があっても資産を減らしたくない、と考えるのであれば、銀行預金だけでなく積極的な資産運用も取り入れるのが効果的です。

自分に合った運用方法をどうやって探す?
投資信託は値動きがある株式や債券を組み込んだ金融商品です。そのため、値上がりでリターンが期待できる反面、値下がりして元本割れを起こすリスクもあります。その点が怖いという方もいるでしょう。
しかし、先に紹介したように、キャンペーン金利のみの運用であれば、2022年に預けた100万円は2028年3月末には87万円ほどの価値にしかなりません。つまり、5~6年で約13万円も目減りするということになります。
長期的な視点で考えると、銀行預金と並行して投資信託などで資産運用するのがベストといえます。
もし、金融商品の選び方が分からないというのであれば、お金の専門家である私たちにぜひお話をお聞かせください。「投資は初めてで怖い」「元本割れリスクはなるべく減らしたい」といった方にも最適なご提案をいたします。また、預金や投資信託に限らず、家計のこと、老後の資産形成についても一人ひとりに合ったアドバイスをさせていただきます。
まとめ
銀行のキャンペーン金利は通常の定期預金金利に上乗せがあるため、とてもお得に感じます。しかし、上乗せがあっても物価の上昇スピードには間に合いません。さらに物価が上昇することで、未来の預金の価値は現在よりも下がってしまうという注意点もあります。
物価上昇に負けない資産運用をしたいのであれば、プロの力を借りながら投資信託などで積極的にお金を増やすことを考えましょう。
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