【必見】2028年に遺族年金がずっとは貰えなくなるの?最新情報と要点を解説!
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2028年に遺族年金が改正されるという報道が話題になっています。「給付が5年で終了する」という言葉が独り歩きしており、不安になった方も多いようです。
そこで、今回の改正について、本当に誰もが損してしまうものなのかを詳しく解説します。また、将来の生活設計のためには遺族年金額を把握しておくべきです。どうやって確認できるかもご紹介します。
もしもの時のための遺族年金。万が一に備えて今のうちに理解しておきましょう。

このページの目次
そもそも遺族年金って何?
遺族年金とは、国民年金や厚生年金保険の被保険者が亡くなった場合、その遺族が受け取れる年金です。
遺族年金の制度を理解しよう
遺族年金には「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」があります。現時点での制度の内容を把握しておきましょう。
| 対象 | 受け取れる人 | 受給期間 | |
|---|---|---|---|
| 遺族基礎年金 | 自営業者など | 国民年金の被保険者、老齢基礎年金の受給権者などが亡くなった場合、亡くなった人に生計を維持されていた「子がある配偶者」「子」が受け取れる ※子の条件: ・18歳になった年度の3月31日までにある人 ・20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある人 ※年収850万円未満の収入要件あり | 子が18歳になる年度の3月31日まで給付(子が障害等級2級以上の場合は、20歳を超えるまで) |
| 遺族厚生年金 | 会社員・公務員 | 厚生年金保険の被保険者、老齢厚生年金の受給権者などがなくなった場合、亡くなった人に生計を維持されていた以下の遺族のうち、最も優先順位の高い人が受け取れる。 ・子がある配偶者 ・子 ・子がない配偶者 ・父母、祖父母 ・孫 ※年収850万円未満の収入要件あり | ・子がある配偶者、もしくは30歳以上の配偶者の場合: 亡くなった翌月から無期給付 ・子、孫の場合: 18歳になる年度の3月31日まで給付(障害等級2級以上の場合は、20歳を超えるまで) ・30歳未満の子がない配偶者の場合: 5年のみ給付(子のない夫は55歳以上に限り受給可能だが、受給開始は60歳から。ただし、遺族基礎年金をあわせて受給できる場合に限り、55歳から60歳の間であっても遺族厚生年金の受給は可能) ・父母、祖父母の場合 55歳以上に限り無期給付になるが、受給開始は60歳から |
遺族年金を受ける際の手続き
遺族年金(遺族基礎年金・遺族厚生年金)を受け取る際の手続きについても簡単にご紹介します。
【提出先】
- 市区町村役場の窓口
(死亡日が国民年金第3号被保険者期間中の場合は、年金事務所または街角の年金相談センター)
【必要書類】
- 年金請求書
- 戸籍謄本または法定相続情報一覧図の写し★
- 世帯全員の住民票の写し★
- 死亡者の住民票の除票
- 請求者の収入が確認できる書類★
- 子の収入が確認できる書類★
- 市区町村長に提出した死亡診断書のコピーまたは死亡届の記載事項証明書
- 受取先金融機関の通帳 など
※★はマイナンバー記入で添付省略可能
※死亡原因が第三者行為の場合などは他にも必要書類があります。
出典)
日本年金機構「遺族基礎年金を受けられるとき」
日本年金機構「遺族厚生年金を受けられるとき」

遺族年金の改正、どこが変わるの?いつまでもらえるの?
冒頭にお伝えしたように、2028年4月1日より遺族年金の改正が行われる(※)ことが2025年6月13日の衆議院で成立しました。正確にいえば、「遺族厚生年金」の改正となります。どのような点が改正されるのか確認していきましょう。
※男性は2028年4月から実施、女性は2028年4月から20年かけて段階的に実施
受給期間の変更
下の表で変更点をご確認ください。
| 現在 | 改正後 | |
|---|---|---|
| 女性 | 30歳未満で死別:5年間の給付 30歳以上で死別:一生涯給付 | 子がいない男女の場合 ・60歳未満で死別:原則5年の給付 ※配慮が必要な場合は5年目以降も給付継続 ※有期給付加算あり ※年収850万円未満の収入要件撤廃 ・60歳以上で死別:一生涯給付 ★男性は2028年4月より実施、女性は2028年4月から段階的に実施 |
| 男性 | 55歳未満で死別:給付なし 55歳以上で死別:60歳から一生涯給付 |
注目すべき部分は男女差が解消されている点です。女性の就業率向上などに合わせ、このような改正を行ったとされています。女性の場合、30歳以上での死別、男性では55歳以上で死別の場合、遺族厚生年金が一生涯給付されていましたが、改正後は男女とも60歳未満死別は原則5年の有期給付となります。
なお、5年の有期給付の場合、以下の変更点もあります。
- 加算があるため、遺族厚生年金の額は現在の約1.3倍になる
- 受給者の収入要件が撤廃され、850万円以上の収入がある人でも受給可能になる
遺族年金の変更が該当しない人
上記で、遺族厚生年金の変更点をご紹介しましたが、変更されない人・ケースもあります。
- 60歳以上で死別の人
- 2028年度末(2029年3月31日)時点で40歳以上の女性(2028年度末時点で40歳未満の女性は変更対象です)
- 改正前から遺族厚生年金を受け取っている人
- 18歳年度末までの子がいる場合、子が18歳年度末になるまでの間の給付内容は現行制度と同じ
特に心配されるのが「子どもがいる場合」と「60歳以上で配偶者と死別した場合」の受給についてではないでしょうか。今回の改正では、「18歳年度末までの子がいる人」「60歳以上で死別の人」に関しては、現行からの変更はなしと決定しています。

遺族年金の受給額をどうやって調べる?
遺族年金がどのくらい受け取れるのかについて、現行の年金額および計算方法をご紹介します。
遺族基礎年金額
2025年4月分以降の遺族基礎年金額は以下のとおりです。
【子のある配偶者が受け取る場合】
| 1956年4月2日以後生まれの人 | 831,700円+子の加算額 |
| 1956年4月1日以前生まれの人 | 829,300円+子の加算額 |
1956年4月2日以後生まれの場合、子供の数ごとの受給額は下の表をご覧ください。
| 1人 | 1,071,000円 |
| 2人 | 1,310,300円 |
| 3人 | 1,390,100円 |
- 1人目、2人目の子の加算額:各239,300円
- 3人目以降の子の加算額:各79,800円
子のある配偶者が遺族基礎年金を受け取っている間や子に生計を同じくする父もしくは母がいる場合は、子に遺族基礎年金の支給はありません。
出典)日本年金機構「遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)」
遺族厚生年金
厚生年金に加入する会社員・公務員の遺族は、遺族基礎年金+遺族厚生年金が受け取れます。遺族厚生年金支給額は「亡くなった人が受給予定だった老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3」です。
報酬比例部分の計算方法は下の表をご覧ください。
| 2003年3月以前の加入期間 | 平均標準報酬月額 × 1000分の7.125 × 2003年3月までの加入期間の月数 |
| 2003年4月以降の加入期間 | 平均標準報酬額 × 1000分の5.481 × 2003年4月以降の加入期間の月数 |
出典)日本年金機構「遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)」
例でどの程度の遺族厚生年金額になるか確認してみましょう。
例)
夫:50歳で死亡
妻:50歳
子:15歳
平均標準報酬月額:35万円(72月)
平均標準報酬額:50万円(264月)
遺族厚生年金部分の計算は以下のとおりです。
| {(35万円×7.125/1,000×72月)+(50万円×5.481/1,000×264月)}×3/4=677,281円 |
支給額は遺族基礎年金+遺族厚生年金となります。
| 1,071,000円(子ども1人の場合の遺族基礎年金)+677,281円=1,748,281円 |
子がいない場合は、遺族厚生年金部分のみとなりますので、支給額は677,281円です。

遺族年金も含めた将来のマネープランを考えよう
遺族年金の改正や受給額の計算についてご紹介しましたが、「よく分からない」「計算するのが難しそう」と思われた方もいるのではないでしょうか。
遺族年金の内容や計算は分かりにくい部分も多くあります。そのような場合は、ファイナンシャルプランナーなどのお金の専門家に相談して算出してもらうことをおすすめします。
また、「計算してみたら、遺族年金と自分の給与だけでは足りないかも」と思われた方もいるでしょう。特に働いている方の場合、家族に万が一のことがあると、今までのように働けなくなり、収入が激減することも予想されます。
遺族年金を含めた将来のマネープランは、働いている今のうちに検討してください。もらえるお金、必要なお金をはっきりさせて、守る方法や増やす方法を考えましょう。その際も自分や家族だけで決めるのではなく、専門家と一緒に考えることをおすすめします。
お金の専門家を探す際は以下の点に気を付けて下さい。
- 「保険だけ」「投資だけ」ではなく、お金全般の知識を持っている専門家を選ぶ
知識が偏っていると、専門外の分野に関してはアドバイスを受けられない可能性があります。 - 特定の商品を強くおすすめしない専門家を選ぶ
中には、会社が売りたい商品を重点的におすすめしてくる専門家もいます。まず家計全般を確認して必要な商品や運用を提案する専門家を選びましょう。 - 担当者が付いてくれる会社を選ぶ
ファイナンシャルプランナーが複数在籍する会社の場合、担当者が決まっていないと、相談のたびに現状や希望を一から説明する必要があります。
担当者が付いてくれる会社を選び、長い目で家計や資産運用のことを考えましょう。

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- 家計全般について相談できる
今回ご紹介した遺族年金のことだけでなく、会計全般のご相談を承ります。家計の問題点やお金の増やし方についてもご相談可能です。
- 同じ担当者が永続的に相談を承る
お客さまの担当者は永続的に変更されないため、ご相談のたびに同じ内容を伝える必要はありません。長期的な視点でお金を増やしたいというご相談にも十分対応可能です。
- 地域に密着した経営を続けている会社である
私どもは神戸で20年以上お金のご相談を受けているファイナンシャルプランナーの会社です。地元密着で経営を続けていますので、ご家族や親子二代でお付き合いいただいているお客さまも大勢いらっしゃいます。
まとめ
遺族年金について、子がいない60歳未満の人は原則5年の有期給付に改正される話が進んでいます。しかし、「男女の受給額の差がなくなる」「有期給付の場合は加算があるため、受給額が現行の約1.3倍になる」など、全てが悪いとは言い切れない面もあります。
まずは、自分の遺族年金額がどの程度になるかを把握し、その上で、将来のための資産運用も考えてはいかがでしょうか。
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