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趣味の温泉巡りを続けるには?50代女性のための資金計画をわかりやすく解説

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更新日:2025.10.10

仕事に一区切りがつく50代。これまで頑張ってきた自分へのご褒美として、温泉巡りを本格的に始めたいと考える女性も多いのではないでしょうか。しかし、退職後も安心して趣味を続けるためには、早めの資金準備が欠かせません。

「年金だけで温泉旅行を楽しめるのかしら」「老後破産なんて言葉もあるし、趣味にお金をかけても大丈夫?」そんな不安を抱えている方もいらっしゃるでしょう。実際、現役時代と同じペースで旅行を続けるのは、年金収入だけでは厳しいのが現実です。

今回は、温泉好きの50代女性に向けて、老後も安心して趣味を楽しむための具体的なマネープランをご紹介します。

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趣味の温泉巡り、退職後にどれくらいお金が必要?

退職後の温泉巡りを計画する際、まず把握しておきたいのが必要な資金の目安です。現役時代とは収入の仕組みが大きく変わるため、リアルな数字での計算が重要になります。

年金だけでは旅行費用をまかなえない理由

厚生年金を受給する女性の場合、平均的な年金額は月額10〜15万円程度とされています。この金額は主に日常の生活費に充てられるため、旅行や趣味の費用まで十分にカバーするのは困難なのが実情です。

例えば、月15万円の年金収入があったとしても、住居費で5~8万円、食費で3~4万円、光熱費や通信費で2万円程度、医療費や税金などで1~2万円を差し引くと、自由に使えるお金は2~4万円程度しか残りません。この範囲内で温泉旅行を楽しむのは現実的ではないでしょう。

特に都市部にお住まいの方は住居費の負担が大きく、年金収入の大部分が基本的な生活費で占められてしまいます。そのため、温泉巡りのような趣味を継続するには、年金以外のお金の確保が欠かせません。

温泉旅行にかかる年間費用の目安

月1回のペースで温泉旅行を楽しむ場合、年間でどの程度の費用がかかるのでしょうか。地域や宿のグレードによって幅がありますが、一般的な目安をご紹介します。

近場の温泉地への1泊2日旅行の場合、宿泊費は1〜3万円程度が相場です。平日なら1万円台前半、週末や連休なら2万円以上になることが多いでしょう。

交通費は距離によって大きく変わります。例えば、神戸や大阪から有馬温泉なら往復3,000円~5,000円程度で行けるでしょう。

しかし、城崎温泉や南紀白浜温泉まで足を延ばすと特急や高速バスを利用して往復1万円~1万5,000円程度、さらに山陰の玉造温泉や北陸の加賀温泉郷などへは2万円以上かかることもあります。

食事代やお土産代も含めると、1回の温泉旅行で1万8千円〜6万円程度の出費になります。月1回のペースなら、年間で約20〜70万円の費用が必要です。

さらに年に数回、2泊3日以上の長期旅行や、有名な温泉地への特別な旅行を加える場合は、年間100万円を超えることも珍しくありません。

旅行支出が増える時期と減る時期の傾向

温泉巡りの支出には、年代による変化があることも理解しておきましょう。

60代前半(退職直後):
時間的余裕ができるため、旅行支出が最も高くなる傾向があります。「今のうちに行きたいところへ」という気持ちが働き、やや出費が増えやすい時期です。

60代後半〜70代前半:
体力や健康状態を考えながら、計画的に旅行を楽しむ時期になります。年間の支出もある程度予測しやすくなります。

70代後半以降:
体力の低下や健康面の変化により、旅行回数が徐々に減少する傾向があります。近場の温泉や日帰り旅行が中心になり、支出も減少しやすいです。

趣味の温泉巡りを続けるには?50代女性のための資金計画をわかりやすく解説

50代から始める老後資金の考え方

温泉巡りを安心して続けるために、50代のうちに身につけておきたい老後資金の基本的な考え方を紹介します。

生活費と趣味費を分けて予算を組む

老後の家計管理で最も重要なのは、「生活に必要なお金」と「趣味や娯楽のお金」を明確に分けることです。この分け方により、「絶対に必要な金額」と「余裕があれば使いたい金額」がはっきりして、不安が軽減されます。

生活費住居費、食費、光熱費、通信費、医療費・保険料、税金など
趣味費旅行費、趣味の道具費、外食・娯楽費、美容費など

この分け方により、「今月は趣味費を少し抑えよう」「今年は特別な温泉旅行を計画しよう」といった柔軟な判断ができるようになります。

余裕資金は「趣味口座」として積み立てる

50代のうちから、毎月一定額を趣味専用の口座に移す習慣をつけるのがおすすめです。例えば月3万円ずつ積み立てれば、10年間で360万円の趣味資金が確保できます。

この方法の最大の利点は、生活費口座と分けることで「使ってはいけないお金」という意識が働き、無駄遣いを防げることです。

また、趣味口座の残高を見ることで、「あと何回温泉旅行ができるか」が具体的にイメージでき、計画的な利用につながります。

夫婦で資産状況を共有する

結婚されている方は、普段は財布を別にしていても、定期的に夫婦でお金の状況を共有することをおすすめします。

<共有すべき情報>

  • 各自の年金見込み額、退職金の予定額
  • 貯蓄・投資の残高、保険の加入状況
  • 住宅ローンの残高 など

月1回程度、情報を更新し合うことで、老後への不安が軽減され、安心して趣味の計画を立てられるでしょう。

趣味の温泉巡りを続けるには?50代女性のための資金計画をわかりやすく解説

50代からできる趣味資金の貯め方・増やし方

50代から趣味のための資金を増やせるのか、心配に思う方もいるかもしれません。ここからは、長く趣味を楽しむための資金の貯め方や増やし方を紹介します。

積立貯金で趣味専用の資金を確保する

最もリスクが低く、確実に資金を準備できるのが積立貯金です。元本保証があるため、「絶対に減らしたくない」と考える方には特におすすめの方法です。

定期預金の自動積立を活用すれば、毎月決まった日に指定した金額が自動的に積み立てられます。「気がついたらお金が貯まっている」という状態を作ることができ、貯蓄が苦手な方でも続けやすいでしょう。

まだ会社にお勤めの方は、財形貯蓄の活用も検討してみてください。給与から天引きされるため貯蓄が習慣化しやすく、退職時にまとまった額を受け取れるため、退職後すぐに温泉巡りを始めたい方には特に有効です。

ただし、現在の物価高の状況を考えると、預金だけに頼ることの注意点も知っておく必要があります。それは、物価の上昇に預金の金利が追いつかず、お金の価値が実質的に「目減り」してしまうリスクです。

例えば、物価が年2%上昇すると、今年5万円で泊まれた温泉宿が来年には5万1,000円になっているかもしれません。一方で、銀行預金の金利は現状ごくわずかなので、5万円を預けていても利息はほとんどつきません。つまり、同じ金額を貯めていても、時間とともに「できること」が減ってしまう可能性があるのです。

そのため、積立貯金で着実に資金を守りつつ、一部のお金は物価上昇に負けないように「増やす」工夫を取り入れる視点も大切になります。

投資信託など分散運用で中長期的に増やす

余裕資金がある場合は、投資信託を活用した分散投資を検討してみましょう。適切に運用できれば物価上昇に対抗しながら資産を増やせるため、将来の温泉巡りをより充実させられます。

投資信託は少額から始められる点も魅力で、月1万円程度の積立からスタートでき、運用は専門家に任せられるため個別の銘柄選びに悩む必要がありません。

50代から投資を始める際は、いくつかのポイントを押さえておくと安心です。退職まで10年以上ある場合は値動きの幅が比較的穏やかなバランス型ファンドを選ぶとリスクを抑えやすくなります。

毎月一定額を積み立てることで価格変動の影響を平均化でき、長期的な成長を狙いやすくなります。また、値動きを頻繁に確認しすぎると短期的な上下に惑わされやすいため、月1回など定期的なチェックにとどめ、長期視点で育てることが大切です。

趣味の温泉巡りを続けるには?50代女性のための資金計画をわかりやすく解説

退職後も趣味を楽しむためのマネープラン例

具体的なマネープランの例として、50代女性のAさん(会社員、年収600万円、独身、現在の貯蓄800万円)のケースで見てみましょう。

定期収入で「日常生活費」を安定させる

まず、Aさんが退職した後の収入の見込額をみていきます。

<Aさんの退職後の収入見込み>

  • 厚生年金:月12万円
  • 企業年金:月3万円
  • 退職金:1,500万円
  • 合計:月15万円+退職金

まず重要なのは、この月15万円で基本的な生活費をまかなえるよう、退職前に生活スタイルを調整することです。住宅ローンの早期返済や住み替えなどにより住居費を抑え、年金内での生活を実現させると安心です。

趣味の費用は運用益や余剰資金でまかなう

日常生活費が安定した上で、退職金をどのように仕分けするかによって、趣味にかけられる費用が変わってきます。

例えば、温泉巡りのための500万円を年利3%で運用できれば、年間約15万円の運用益が期待できます。運用益に加えて元本の一部を計画的に取り崩すことで、旅行費用をまかなうことも可能です。

医療・介護リスクに備えて予備資金を確保する

突然の医療費や将来の介護費用に備えて、専用の予備資金を確保しておくことも重要です。

医療・介護費用の目安

  • 入院時の差額ベッド代:1日5,000円~2万円
  • 介護施設利用料:月10万円~30万円
  • 在宅介護サービス:月5万円~15万円

一般的に、生涯でかかる医療費の約6割は65歳以降に集中すると言われています。こうした出費は、いつ、いくら必要になるか予測が難しく、場合によってはせっかく貯めた資産を大きく取り崩してしまう可能性もゼロではありません。

そこで、こうした予測不能な出費から大切な資産を守るために、貯蓄に加えて医療保険やがん保険などで備えておくことも有効な選択肢です。

保険を活用することで、万が一の時にも趣味の資金に手を付けることなく治療に専念でき、安心して旅行の計画を立てられるようになります。

趣味の温泉巡りを続けるには?50代女性のための資金計画をわかりやすく解説

無理なく趣味を楽しむための準備と相談先

最後に、趣味を無理なく楽しんでいくために必要な、具体的な準備の内容と相談先をご紹介します。

公的な年金や退職金制度を確認する

まずは、自分が受け取れる年金や退職金の見込額を正確に把握することが、資金計画づくりの第一歩です。趣味費用を含めたライフプランを立てるには、将来の収入の土台を明確にしておく必要があります。

見込額がわからないままでは、旅行費用や生活費の配分を決めても現実性に欠けてしまうからです。年金は「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認でき、退職金は会社の人事部に制度内容を問い合わせることで把握できます。

企業年金や確定拠出年金を利用している場合は、残高のチェックも忘れずに行いましょう。こうした情報を揃えることで、趣味にかけられる金額の目安を導き出す準備が整います。

趣味費用を含めたライフプランを作成する

次に、収入と支出を整理し、温泉旅行など趣味費用を織り込んだライフプランを作成します。退職後は働き方や健康状態の変化によって支出が大きく変わるため、年代ごとの資金需要をあらかじめ見積もることが重要です。

物価上昇率や医療費の増加も織り込み、無料のライフプランツールを活用してシミュレーションすると現実味が増します。ライフプランを数値化することで、趣味に充てられる資金を無理なく確保できるかが見えてきます。

専門家に相談して資金計画をカスタマイズする

さらに精度を高めたい場合は、専門家に相談して資金計画をカスタマイズすることも検討しましょう。個々の収入・資産状況や希望するライフスタイルによって最適なプランは異なるため、専門家の知見が役立ちます。

相談時には「温泉巡りを続けたい」といった具体的な希望を伝えると、より現実的な提案を受けられます。自分に合った資金計画を立てることで、趣味を安心して楽しめる見通しがぐっと高まります。

趣味の温泉巡りを続けるには?50代女性のための資金計画をわかりやすく解説

自分に合ったマネープランで老後も趣味の温泉巡りを楽しもう

この記事では、50代女性が退職後も安心して温泉巡りを続けるための資金計画を、具体的な数字や運用例を交えながら解説してきました。

年金だけでは趣味費用をまかなうのが難しいケースが多いため、生活費と趣味費を分けた家計管理や、積立・投資を組み合わせた早めの準備が大切です。

資産運用や退職金の使い道は、一人で判断するには不安がつきものです。特に退職金や長年の貯蓄といった大きな金額を扱う場合、専門家に相談することで、将来にわたって資金を守りながら趣味を楽しむ道が広がります。

実際に相談された方からは「温泉巡りを楽しむための計画が見えたことで、これからの生活がより楽しみになった」という声も寄せられています。

私たちは、女性のライフステージに合わせた資産運用や老後資金づくりの相談を承っています。経験豊富なファイナンシャルプランナーが、一人ひとりの状況に応じて丁寧にアドバイスする無料相談もご用意していますので、まずは気軽にご相談ください。

あなたに合ったマネープランを整え、退職後も好きな温泉巡りを満喫できる安心とゆとりを一緒に育てていきましょう。