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30代独身女性の貯蓄と資産形成を銀行員が解説します

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  • 貯蓄

「あなたはいま、仕事に悩み転職を考えていますか?」
「結婚への意識が、頭の中の大部分を占めていますか?」
もしそうなら、この記事の見出しに引かれることはなかったでしょう。

では、タイトルに興味を抱いてくださったあなた、あるいは今のところ仕事や結婚でそれほど悩んでいない(失礼ながら)30代独身女性のあなたに向けて、
悩み事がない今のうちに、自分の将来とお金のことを考えるきっかけにしてほしい
この記事はそんな願いで書いています。

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女性 年代別の平均貯蓄額
~あなたの立ち位置は?このままでいいの?~

まずはじめに、女性の貯蓄額と年収の、年代別平均額を解説します。
あなたは同年代の平均と比べてどうでしょうか?
もちろん平均と比べて少ないからダメ、多いから勝ちといったことではありませんが、平均値を知るのはムダではないと思います。

30代独身女性の平均貯金額は約400万円

独身女性の年代別収入と平均貯蓄額
● 30歳未満 年収:311万4千円 平均貯蓄額:186万7千円
● 30代   年収:362万9千円 平均貯蓄額:407万9千円
● 40代   年収:399万4千円 平均貯蓄額:799万7千円
● 50代   年収:380万6千円 平均貯蓄額:1,110万7千円
● 60代   年収:253万7千円 平均貯蓄額:1,423万3千円
(※参照:「総務省統計局/2019年全国家計構造調査」

ここでは、まず今の立ち位置を知るだけで十分です。
なぜなら、あなたの将来にはまだまだたくさんの時間があり、たくさんのイベントが待ち受けているからです。

ライフイベントで考えるお金のこと ~現在から老後まで~

ここでは、ライフイベントから「いつ?」「いくら?」お金が必要になるか?説明します。
ライフイベントとは、人生で発生する大きなイベントについて、その時期や平均所要額をまとめたものです。
人生を登山に例えれば、出生をスタート、ゴールを老後として途中途中にさまざまなイベントがあるというわけです。
「人生が山登り」では気が重くなるかもしれませんが、ただ漫然と貯蓄するのではなく、
将来のイベント発生時期と所要額を知ることで、貯蓄にも張り合いや、目標意識が出てくるとおもいませんか?

待ち受けているライフイベントと、そのとき必要なお金

ではさっそく、いくつかのイベントと、その平均的費用を紹介していきます。

<結婚費用>
挙式・披露宴・披露パーティーなどの総額は平均355万円

<住宅購入費用(新築)>
建売:約3,442万円
マンション:約4,437万円

<教育資金>
幼稚園、小学校~高校:公立・大学(文系):私立の場合1,033万円

<老後の生活費用>
1人1ヵ月あたり約26万円

<介護費用>
1人1ヵ月あたり約17万円

これらは「基礎から学べる金融ガイド」から紹介しました。
「基礎から学べる金融ガイド」は、金融庁が社会人や大学生、高校生を対象として発行している、金融取引などの基礎知識に関するガイドブックです。
やさしくわかりやすいので、ぜひ一読をおすすめします。

ライフイベントも取捨選択できる

ところで、ライフイベントは人それぞれです。
必ずしも結婚は必要ないと考えるなら、結婚費用はライフイベントから外せばいいですし、当然ですが教育費も関係ないことになります。また自分の家を持つことにこだわらず、賃貸でも良いと考えるなら、住宅取得費も必要なくなります。
このように、人生は人それぞれ、人生設計に正解・不正解はありませんから、ライフイベントは自分で取捨選択していいんです。

とはいえ、人生観や将来設計などは変化することもあるでしょう。
たとえば今は一生シングルでいようと決めていても、一緒に人生を歩みたいパートナーが見つかるかもしれません。
あるいは新しく打ち込みたい仕事が見つかって、転職するかもしれません。でもそうなったら、他の目的ではじめた資産形成を新しい使いみちに振り替えれば良いだけです。

ライフイベント別・おすすめの資産形成

ここからは代表的なライフイベントと、銀行員が最適と考える資産形成を解説します。
もちろん銀行員の意見が絶対ではありませんが、ひとつの考えとして参考にしてください。

結婚費用やマイカー購入に適した資産形成

結婚費用は「目的と費用の目安は決まっているが、時期が決まっていない出費」です。
こちらは自動車の購入、マンションなどをキャッシュで購入(あるいは頭金として)する場合も当てはまります。

結婚費用で考えた場合、上記したように平均額は明確になっています。あとはグレードやオプションの違いで費用に差が出るくらいでしょう。
しかし、金額はある程度決まっているのに、時期が流動的なのが結婚資金(自動車やマンションも同じ)です。
いつ出会いがあり、いつ結婚を決意するか?こればかりは勤続30年、お金のプロを自負する銀行員でも予想できません(笑)。

少し脱線したので話題を戻します。
目標額が決まっているが時期が未定なら、積立式の資産形成がオススメです。
たとえば積立投信など契約期限のないタイプで、毎月一定額を投資する形式なら、特に満期を気にする必要もありません。
また積立投信は「何回積み立てなければ満額受け取れない」(銀行の定期積金などはこの形式です)といった縛りはありませんので、この点も結婚資金には適しています。

結婚費用の資産形成で注意する点

結婚資金、あるいは住宅資金でもそうですが、時期未定とは言え、いざ決まりさえすれば、今度は猛スピードでものごとが進んでいきます。
そこで注意していただきたいのは「流動性」があるか?の確認です。

流動性とは、いざ必要になったとき即時、あるいは少なくとも数日後には現金化できるという意味です。
いくら魅力ある資産形成方法でも、スピーディーに現金化できなくては結婚資金や住宅資金に充てられません。
いざ必要なときに使えなくては、なんのために資産形成したかわかりません。
たとえば投資信託なら「クローズド期間」といって、一定の期間は解約(投信では途中償還と言う場合も)できない場合がありますので注意が必要です。

老後資金に適した資産形成

老後資金は65歳(サラリーマンで定年65歳の場合です)になるまでの時間は決まっているのに、そのいっぽうで必要額が見えにくいものです
いわゆる「老後2,000万円問題」で話題になった「年金だけでは毎月5万円以上赤字になって、65歳から30年で2,000万円が必要になる」という考えもあります。
そのいっぽうで、資産に余裕があるなら「老後を迎えるまでの時間は決まっていて、必要とする金額は自由に決められるのが老後資金」だとも言えます。

このように期間が明確で、目標金額を自分で設定できるなら「個人年金」がオススメです
さまざまな商品があり、それぞれ条件が違いますが、まとめるなら
「毎月一定額を30年程度積み立てておけば、少し増えた積立金をもとに、自分の老後に年金として帰ってくる」といえます。たとえばある個人年金の内容は以下のとおりです。
● 女性30歳で加入し、毎月32千円を30年間払い込む
● 60歳から10年間年金として受け取る(帰ってくる)
● 年金年額は120.57万円×10年で総額1205.7万円
● 積み立てた総額は32千円×12ヵ月×30年=1,152万円なので
● 積立1,152万円に対して年金額は1,205.7万円(投資額の104.6%の還元率)

老後資金の資産形成で注意する点

ただ、個人年金保険にも難点があり、年金受け取りの開始時期が60歳から10年間と、短いところです。30年間コツコツ積み立てて10年しかもらえないと感じる人には向いていないかもしれません(個人年金も商品によって年金受け取り開始時期や年金期間は違います)。

また例示したのは「定額年金」といって、還元率(予定利率)が決まっているタイプです。
投資したお金が減る心配は少ないのですが、上記の還元率を定期預金のような年利で換算すると以下の計算結果になります。

<計算式>
1. 増えた金額(定期なら利息)は30年で53.7万円(1205.7万円-1,152万円)
2. 年利換算すると0.1553%/年間になる(53.7万円÷投資元本1,152万円÷30年)

参考までに、ゆうちょの1年定期利息は0.002%です。年利0.1533%は定期と比べれば高利回りともいえますが、超低金利の時代なので「殖やす」ことが目的なら個人年金も適しているとは言い切れません。
その理由は
「モノの値段は上がっているにも関わらず、超低金利ではお金は増えない」
「むしろ、実質的には資産が目減りしている」

からです。
これは、昭和40年当時に1万円で取引されていた物が、現在は何円ぐらいなのか、という次項の解説で見えてきます(数式などが多くやや学問的なので、軽く読み飛ばす程度でもOKです)。

【参考】物価指数のおはなし

ここでは、企業物価指数および消費者物価指数が1つの参考材料になります。
企業物価指数を見ると、令和2年の物価は昭和40年の約2.0倍なので、昭和40年の1万円は令和2年の約2.0万円に相当する計算になります。
また、消費者物価指数では約4.2倍なので、約4.2万円に相当するという計算になります。
(以下の計算式を参照)
価格上昇のモノサシをなににするかで計算結果はまちまちなので、あくまでも参考としてください。

計算式(1)企業物価指数(国内企業物価指数)
100.3(令和2年)÷49.2(昭和40年)=2.0倍

計算式(2)消費者物価指数(持家の帰属家賃を除く総合)
102.3(令和2年)÷24.4(昭和40年)=4.2倍
(※参考引用:「日本銀行/教えて!にちぎん/昭和40年の1万円を、今のお金に換算するとどの位になりますか?」

30代、まだまだ時間があるからこそ、頼れるプロと一緒に資産形成を考えてはいかが?

30代の女性にはまだまだ時間があります。
35歳でも、30年積み立てて65歳から自分の年金を受け取ることも可能です。
そして、ここまで説明してきたのは銀行員としての私の意見です。
もちろん長年お金に付き合ってきた経験から、それなりに自信があっておすすめしています。しかしながら、もっと広い視野で、またお金だけにとどまらない広い視野と見識を持つFPと今から一緒に、そしてじっくり資産形成を考えてみてはいかがでしょうか?

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