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NISA・イデコ見直しで「貯蓄から投資へ」誘導 ~2020年度税制改正ポイント・個人編~

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2020年度の税制改正大綱が決定しました。
今回の税制改正は、経済成長を促す施策に重点が置かれています。
私たち個人に対する動きと、企業に対する動きとに分けて解説したいと思います。

イデコの2022年の制度改正についてUPしました。
iDeCo(イデコ)が2022年に改正!内容とメリット・デメリットを確認

個人の資産形成を後押し

昨年は、戦後最長の景気拡大が続いていても「景気回復を感じられない」との声があがる中で、消費税増税、また「老後2000万円問題」が騒がれるなど、個人が家計資産を守り増やすために動くことの重要性がクローズアップされた1年でした。

そうした状況を踏まえて今回の税制改正には、資産形成の手段として勧めている「確定拠出年金」「NISA」の拡充を図る政策が盛り込まれています。
早速みていきましょう。

確定拠出年金

勤め先の企業が掛金を拠出する「企業型」と、個人が任意に加入する「個人型」の「イデコ」について、これまで原則60歳未満までとなっている加入期間の上限を、「企業型」は70歳未満に、「個人型」は65歳未満まで、それぞれ延長し、現在60歳から70歳までの間で選べる受給開始年齢の選択肢を70歳以降にも広げます

また、「企業型」に加入している会社員について、本人が希望すれば、労使の合意などがなくても「イデコ」に加入できるよう要件を緩和するほか、企業年金のない中小企業で、「イデコ」に加入している従業員に、企業が掛金を上乗せすることができる「イデコプラス」という制度について、対象を従業員100人以下の企業から、300人以下の企業に広げます。

NISA

NISAについては2024年以降、比較的リスクの低い投資信託などに優先的に投資する仕組みに改め、安定した資産形成を促します
新たな制度では、比較的リスクの低い投資信託などに対象を限った年間、最大20万円の「積み立て枠」を新たに設けたうえで、従来のように株式に投資できる最大102万円の「投資枠」を作り、5年間で合わせて最大610万円の投資が非課税になります

原則、「積み立て枠」に投資を行った場合に「投資枠」を使えるようにしますが、株式投資の経験がある人などは、「積み立て枠」に投資しなくても株式に投資できる例外措置が設けられ、その場合、非課税の総額は510万円になります。

一方、年間、最大40万円の投資が非課税となる長期の資産運用向けの優遇税制「つみたてNISA」は、2037年までの期限を2042年まで5年間延長し、2023年までに始めれば20年間の投資期間を確保できるようにします

親や祖父母が未成年の子や孫のために年間80万円まで非課税で投資ができる「ジュニアNISA」は、投資期限を迎える2023年末で制度を終了します。

家計負担を減らす子育て支援

家計負担を減らす子育て支援も焦点となりました。

未婚のひとり親支援

未婚のひとり親の負担を軽減するため、配偶者と死別したり、離婚したりしたひとり親を対象とした「寡婦控除」を未婚のひとり親にも適用します

所得が500万円以下の未婚のひとり親を対象に所得税は35万円を、住民税は30万円を課税対象となる所得から差し引くことで税負担を軽減します。
対象となる未婚のひとり親がいわゆる「事実婚」の状況にないかは、住民票の続柄の記載で確認します。
一方、未婚のひとり親に児童扶養手当を年1万7500円上乗せしている臨時の措置は取りやめます。

また、「寡婦控除」をめぐっては、現在、男性だけに所得制限があり、「不平等だ」という批判があることを踏まえ、女性にも500万円の所得制限を設けます。
さらに、女性よりも低く設定されていた男性のひとり親の控除額を、所得税は27万円から35万円に住民税は26万円から30万円に引き上げ、女性と同額にします。

ベビーシッター非課税

子育て支援では、ベビーシッターなど1日に預かる乳幼児の数が5人以下の認可外の保育事業についても指導監督の基準を満たせば、認可保育施設と同様に保育料にかかる消費税を非課税にします。

出典:NHK NEWS WEB『2020税制改正 ‐暮らしどう変わる‐』
金融庁『令和2年度 税制改正要望項目』

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