マネーセミナー 個別相談
お役立ちコラム

column

「死別」「離婚」「未婚」、女性の老後は“おひとりさま”が基本!?

  • 独身女性
  • 共働き夫婦
  • 定年間近
  • 独身
  • 老後

日本が世界的に見ても超高齢社会であることは皆さんご存知だと思います。ジャーナリストであり、内閣官房有識者会議委員、厚労省検討会委員などを歴任された河合雅司さんも著書の中でこのような見解を示しています。

2017年、日本人女性の3人に1人が既に65歳以上となり、日本は「おばあちゃん大国」に変化した。
「おばあちゃん大国」とは、ひとり暮らしをする女性高齢者の増大を意味し、その要因は大きく3つ「配偶者との死別」「未婚」「離婚」
(講談社現代新書『未来の年表 人口減少日本でこれから起きること』)

この3つの要因がどんな状況にあるのか、そしてそれを踏まえて女性がどのように老後の生活について考えたらよいのかをみていきましょう。

子どもと同居しない高齢者が増大

2015年の国勢調査によると、65歳以上のうちの単独世帯は、男性の13.3%に対し、女性は21.1%です。
また、同じひとり暮らしでも男性と女性とでは事情が大きく異なり、単独世帯の割合が最も大きい年齢層を見ると、男性の最多は25~29歳(29.3%)ですが、女性は80歳~84歳(28.2%)。この調査結果から、男性の場合は就職してから結婚するまでひとり暮らしている人が多いが、女性の場合は子どもが独り立ちをした後、夫とふたりでの生活となり、夫が亡くなって独居というパターンが多いと推測できます。

都市部では「ひとり暮らしシニア」が急増しており、日経電子版にてその実態がひと目でわかる「ひとり暮らしシニア」増減マップが公開されています。

「未婚大国」が誕生

男女ともほぼすべての年代で未婚率が上昇しています。平成29年版「厚生労働白書」によると、50歳まで一度も結婚したことのない人の割合を示す生涯未婚率は、1990年を境にうなぎ上りで、現状(2015時点)でも男性は23.4%で4人に1人、女性は14.1%で7人に1人ですが、2035年の推計は男性29.0%で3人に1人、女性は19.2%で5人に1人が生涯結婚しないという“「未婚大国」の誕生”となります。
婚姻件数も減り続けており、厚生労働省の「平成29年人口動態統計(確定数)の概況」によると、2017年は60万6866組となり、前年に比べて1万3665組も下回って、家庭をつくらない人は珍しくなくなりました。

離婚による「家族」消滅の危機

たとえ結婚したとしても長続きするとはかぎりません。離婚の増大もまた、ひとり暮らし世帯を増やします。「平成29年人口動態統計(確定数)の概況」には、1980年に1.22だった離婚率(人口1000人あたりの離婚件数)が、2002年は2倍近い2.30だったとあります。直近の2017年は1.70、実数にして21万2262組です。再婚する人もいますが、婚姻件数が60万6866組なので、単純に計算して「3組に1組」が離婚しているようなものと捉えると、多いと感じる方が大半ではないでしょうか。

女性の老後は“おひとりさま”を基本に考えるべし

ひとり暮らしが主流となる日本を生きる女性は、どのように老後に備えたらよいのでしょうか?
結論から言うと、「女性の老後は“おひとりさま”を基本に考えるべし」です。

独身の方は既に“おひとりさま”を想定して老後のマネープランを考えていらっしゃる方も多いと思いますが、配偶者がいらっしゃる方はいかがでしょうか?「遺族年金ももらえるから」と思われるかもしれませんが、妻の老齢基礎年金を含む年金額は月11万1,700円(死亡した会社員(公務員)の夫の平均標準報酬月額35万円・加入期間25年(300月)、賞与総額が全月収の30%、妻は老齢基礎年金を満額受給するものとして計算<平成29年度価格>)と、決して余裕のある生活ができるとは言えない現状があります。
遺族年金について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください
夫に先立たれた妻の老後 遺族年金はいくらもらえるの?

離婚された場合は、遺族年金はありませんが婚姻期間中の「年金分割」があります。ですが、「平成28年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」を見ると離婚分割後の平均年金額は月8万513円(基礎年金含む)と、遺族年金同様十分な額とは言えません。
年金分割について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください
離婚の準備 ★離婚でもらえるお金③

まとめ

「どんな人生を歩むか」女性の生き方は多様化していますが、超高齢化社会を生きていくうえで、どんな生き方を歩むとしても「一人でも生きていける」という心構えをもっておくことは今後ますます大事になってくるでしょう。

世界に例をみない速度で高齢化が進んでいる日本においては、先人の知恵を借りようにも親世代とは時代背景が大きく異なり、現役世代が同じようにライフプランを立ててもうまく事が運ばない事態に陥りかねません。未曾有の超高齢社会に備えるにはどうしたらいいの?と頭を抱えてしまいますが、そんなときは私たちファイナンシャルプランナーの力を頼っていただけたらなと思います。