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【投資入門⑥】お金を増やすだけじゃない!夢・目標を叶える資産管理法

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これまでのおさらい
【投資入門①】投資はお金持ちがやるもの?初心者こそ資産運用が必要なワケ
【投資入門②】投資に興味があるけど一歩踏み出せない!ジレンマを解消するには?
【投資入門③】資産が増える投資方法 ~その1 長期投資~
【投資入門④】資産が増える投資方法 ~その2 資産分散~
【投資入門⑤】資産が増える投資方法 ~その3 積み立て投資~

これまでの連載を読んで、「投資は怖いもの」という「思い込み」から自由になったあなたは、投資で資産が増える、その可能性にワクワクしていませんか?「早速やってみたい!」と思った方もいらっしゃるかもしれません。

資産が増えるって嬉しいことです。
「資産が増えることで老後も安心した暮らしを送れたら」そう願う方も多いと思います。
あなたはいくら資産が増えたら満足ですか?
1000万?3000万?5000万?

・(いくらって聞かれてもよく分かんないしな…)

「とにかくたくさん増やしたい!」
そう思った方は、【投資入門③】を読み直しです!!
【投資入門③】で口をすっぱーくして伝えたかったのは、
投資を「安く買って高く売ろう」として、価格変動に一喜一憂するな!』ということ。

「とにかくたくさん増やしたい!」って、
「安く買って高く売ろう」と思考回路が一緒になっちゃってますよ?
「価格変動に一喜一憂」って安心した暮らしと程遠くないですか?

「じゃぁ、どうしたら…」って混乱しているあなたに、アメリカで取り入れられている資産管理法を伝授します!

夢・目標を叶える資産管理法「ゴールベース・アプローチ」

“金融先進国”アメリカでは、資産管理において「ゴールベース・アプローチ」という考え方が定着して運用実績を上げています
「ゴールベース・アプローチ」とは、個人個人の将来の目標(ゴール)に向けて資産を管理していく方法のことです。高いリターンだけを求めて投資するのではなく、各人のそれぞれのゴール実現に向けて、資産の置き場所を考え、支出をコントロールしていくのがゴールベース・アプローチです。
ゴールは人生において各自が大切だと考えること、例えば「リタイア後の生活」「子や孫の教育」「趣味や将来の大きな買い物」など、長期的な視点で考える必要があります。ですから、ファイナンシャルアドバイザーは長期間にわたり、顧客の目標(ゴール)の実現に向けて伴走します

資産の管理においては、資産を分散させる「資産配分」だけでなく、その配分を維持する「リバランス」、定期的な収入を得られるような資産の置き方・商品や制度の活用の提案、税制を考慮した資産の置き方・取り崩し順の検討など、専門性も求められます。

「ゴールベース・アプローチ」はなぜ有用?

「個人のゴール」を重視することが、なぜ資産管理によい成果をもたらすのでしょうか?それは、「個人のゴール」を達成できるかを判断基準に資産管理をすれば、人はときに感情や心理によって利益に反する非合理的な行動をとってしまう、という“人間心理のワナ”に陥らずにすむからです。
では、“人間心理のワナ”がいかにやっかいなものなのか、そして、それを避けるために「ゴールベース・アプローチ」がどのように役立つのか、詳しく見ていきましょう。

行動経済学がモデル化した非合理行動

「ゴールベース・アプローチ」は、行動経済学の成果を基礎にしています。行動経済学は、ダニエル・カーネマンが非合理行動のモデル化で2002年にノーベル賞を受賞したのが現在の流行の発端になります。
「人が合理的でない行動で損をすることがあるなら、そのことを教えてもらうことで損をしなくなるだろう」という考えから、この分野は当初から投資行動への応用を期待されていました。以下に、代表的な非合理性と関連する投資行動を紹介します。

代表的な非合理性と関連する投資行動
 自信過剰 自分の銘柄選択に自信を持ちすぎて分散投資が難しい。
 また、過剰に取引する。
 後悔回避 後悔するのが嫌で損切りできない。
 少し利益が出ると売ってしまう。
 損失回避 利益と損失では同じ金額でも損失の方が大きく感じる。
 過剰に保険をかけたくなる心理。
 メンタル・アカウント 同じお金に色をつけて見てしまう。例えばギャンブルで
 勝ったお金は働いて得たお金より簡単に使ってしまう。
 主観確率 めったに起こらないことをもっと起こると思ってしまう。
 宝くじを買いたくなる理由の一つ。
 決定麻痺 銘柄の選択などの投資の意思決定の際に、情報や選択肢が
 多すぎるとかえって決定できなくなってしまう。

やっかいなのは、こうした非合理行動が単純に知識として教わるだけでは消えてなくならない根源的なものだということです。ですから、非合理行動を克服するためには、強い感情(願望)に基づく行動指針、つまり「個人のゴール」が必要となるのです。

「今」欲しい!誘惑をコントロールする

「現在の自分」と「将来の自分」との戦いに悩まされたことがないという方は恐らくいないと思います。「夏に向けてダイエットしているけど、目の前にある美味しそうなスイーツを食べたい!」「ハマっている漫画の新刊が出た!今すぐ読みたいけど来週のテストに向けて勉強しなきゃ」といった具合に。たいていは「将来」を先延ばしにして「今」を選択しているのではないでしょうか。

現在の自分がたいてい勝ってしまう理由の一つは、痛みも喜びも感じるのが「今」だからです。金銭的な目標に現実的な意味合いを持たせるには、非合理行動を克服するときと同様、それが個人的で感情的な目標と強く結びついていなければなりません
弊社のお客様からも、「買い物や旅行をしたときの罪悪感」というかたちで話をよく聞きます。「現在の楽しみ」も大切だけど「老後の安定した暮らし」も大切、だから、買い物や旅行は楽しいけれどお金を使ったことに罪悪感が…。

このような罪悪感を拭うには、「個人のゴール」の設定が不可欠です。将来どんな暮らしを送っていたいか、何が実現できていたら自分は幸せと感じるか、考えてみてください。なかなか思い浮かばないようでしたら逆の発想で、将来どんな暮らしは送りたくないか、何が不足していたら物足りないと感じるか、考えてみてくださいそして、それらを叶えるためにお金がいくら必要なのか、洗い出しますこうした過程をへて金銭的な目標が、個人的で感情的な目標つまり「個人のゴール」と強く結びつくことで、日々の楽しみに使うお金もコントロールできるようになります

「価格変動に一喜一憂しない」リスク管理

「投資はリスクがあって怖い」とはよく聞きますが、ここで言う「リスク」って何でしょうか?「リスク」を辞書で引くと、「危険」「不確実性」とあり、一般的に「リスク」は「危険」を表す言葉と認識されることが多いかと思います。

では、投資で言うところのリスクはと言うと、価格変動の「不確実性」、つまり、損する・しないに関わらず、相場の変動幅が見込めずに確実なリターンを読むことができないことを指しますですが、皆さんが「投資はリスクが怖い」と話すときにイメージしているのは、「損すること(危険)」というイメージかと思います

やっぱり誰しも損はしたくないって思っちゃいますよね。繰り返しになりますが、投資のリスクは相場の変動幅が読めないことを指すので、損失だけでなく利益もリスクですとは言ってもそこは行動経済学で示されているように、損失のほうが強く印象づいてしまうのが人の心ですよね

相場を投資行動の判断基準にしてしまうと、その上がり下がりに一喜一憂して、下がったときに耐えられず売却してしまうという非合理行動をとってしまいかねません。なぜこれが非合理行動と言えるのかは、これまでの連載を読んでくださった方はすぐピンとくるかと思いますが、投資は長期で行うほど収益が安定します。また、積み立て投資の場合、値下がりしているときは量(口数)を増やすチャンスです。“人間心理のワナ”に陥らずに投資を続けるためには、「個人のゴール」に照準を合わせることです。そうすれば、人々が経験する本当のリスクとは、運用ポートフォリオのボラティリティ(価格変動の度合い)ではなく、自分の目標を達成できなくなる可能性だということが分かり、目先のこと(相場の上がり下がり)にとらわれずに、「自分の目標を達成する」という長期的な視点に立った投資判断が可能になります

次回予告「いよいよ実践!資産運用を始めよう」

6回にわたってお送りしてきた【投資入門】。「入門長いな~実践まだ?」とお疲れかもしれませんがご安心を、【投資入門】は今回が最終回です。次回はいよいよ【投資実践】スタートです!と言っても1回で終わります(笑)。【投資入門】でみっちり資産運用の心得を知っていただいたので、【投資実践】はシンプルに、銀行や証券会社など様々ある資産運用サービスの紹介とその選び方についてお話したいと思います。もう少しお付き合いくださいね。