【投資実践】資産運用を始めよう!利用するサービスを選ぶポイント
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これまでのおさらい
【投資入門①】投資はお金持ちがやるもの?初心者こそ資産運用が必要なワケ
【投資入門②】投資に興味があるけど一歩踏み出せない!ジレンマを解消するには?
【投資入門③】資産が増える投資方法 ~その1 長期投資~
【投資入門④】資産が増える投資方法 ~その2 資産分散~
【投資入門⑤】資産が増える投資方法 ~その3 積み立て投資~
【投資入門⑥】お金を増やすだけじゃない!夢・目標を叶えるための資産管理法
これまでの連載でみっちり資産運用の心得を知っていただきました。いよいよ実践的な話、資産運用の始め方についてお話します。資産運用サービスは様々な企業が提供しており、何を利用すればいいか分からないという方も多いと思います。どんなサービスがあるかご紹介するとともに、選ぶ際のポイントを見ていきましょう。
このページの目次
いろいろある資産運用サービス
銀行
大手銀行や地方銀行など、全国に様々な銀行があり、銀行窓販で投資信託や保険商品を取り扱っています。預金口座を開いて長年取引している金融機関の安心感や、資金移動などの手間をかけずに運用できる便利さがありますが、商品数は総体的に少なく、手数料は高めです。
証券会社
大手証券や地場証券といった対面営業を行う証券会社が数多くあります。メリットは、営業担当者からマーケットの動向について情報提供を受けたり、商品の提案を受けられたりする点。直接対面することで、様々な疑問をぶつけることができます。また、大手証券を中心に新規公開株式など特定の証券会社でしか取り扱えない商品もあります。ただ、総体的に手数料水準が高めな点などがデメリットです。
ネット証券
ネットの証券会社は手数料の安さが魅力。商品ラインナップも豊富で、各運用会社の商品を取り扱っています。ただ、対面営業の証券会社のように担当者と相談して売買や商品選択ができないため、自分で商品を調べて理解したうえで選択をする必要があります。
直販投信
先に挙げた3つがこれまで資産運用の中心でしたが、最近ではこれらの金融機関以外に、資産運用サービスを提供する企業が注目を集めています。直販投信は、大手の金融機関ではなく、独立系の運用会社が直接販売する投資信託です。メリットは、各社が独自の哲学に沿って運用をしており、「顔が見える運用」をしているという点。また、基本的に金融機関が販売に介在しないため、低コストで販売・運用が可能になっています。デメリットは、商品数が限られているケースが多いことです。
IFA(独立系金融アドバイザー)
直販投信と同様に最近注目を集めており、日本ではまだあまり馴染みがありませんが、アメリカでは主流の資産運用サービスです。特定の金融機関に属さず顧客意向を優先した提案・資産管理を行える点、担当者の転勤がなく長期にわたり顧客のライフプランや信頼関係を構築できるといった点が評価され、アメリカではシェアを拡大しています。詳しくは、コラム『金融機関属さず“お客様本位”の投資助言 注目を集めているIFAのお仕事』をご覧ください。
ちなみに弊社はIFA(独立系金融アドバイザー)に位置づけられます。
IFA(独立系金融アドバイザー)の可能性
このように資産運用サービスを提供している機関は数多く存在し、それぞれにメリット・デメリットが存在します。ご自身の資産運用の目的や知識に応じて、どこを利用するか選んでいただけたらと思いますが、IFA(独立系金融アドバイザー)として仕事をしている弊社が考えるIFAの可能性についてお話したいと思います。
【投資入門②】で触れた「投資信託で損している人が結構いる」というニュースを覚えてますでしょうか。「銀行で投資信託を買った個人客の半数近く(46%)、ネット証券経由では36%が損をしている」と金融庁が発表しニュースになったのですが、IFAの利用者で損している割合は8.4%に留まっています(出所:PWM日本証券調査「PWM日本証券基準運用損益別顧客比率(定時定額積立を主とする金融商品仲介業者)」)。この調査からIFAが投資家の利益に貢献していることがうかがえます。
こうした好数字にあるのは、IFAが「金融機関に属さない」資産運用のアドバイザーであることが大きいと思っています。金融機関から独立した存在であること、配置替えや転勤などを伴わないことで、「こんな人生が送りたい」というお客様のパーソナルな目標を叶えるためのマネープランを、長いお付き合いの中で伴走しながら実行していくことがIFAならできると思います。
マネープランに“伴走者”が必要なワケ
パーソナルな金銭的目標を叶えるのに“伴走者”が必要という考えは、アメリカで主流とされる資産管理法「ゴールベース・アプローチ」に基づいています。ゴールベース・アプローチは「人はときに感情や心理によって利益に反する非合理的な行動をとってしまう生き物である。経済的意思決定においてそれを避けるためには、金銭的な目標と個人的で感情的な目標とが強く結びついていなければならない。これが自律性という概念に結びつくもの」と説いています。そしてこの自律性を保つための作業(自分の目標を定めるということ)は、1人でしなければならないものではなく、自分と目標やアプローチが似ている金融の専門家を見つけることを勧めています(参考文献『ゴールベース資産管理入門―顧客志向の新たなアプローチ』)。詳しくは、コラム『【投資入門⑥】お金を増やすだけじゃない!夢・目標を叶える資産管理法』をご覧ください。
投資連載を終えて…編集後記
「投資は皆さんが思っているような怖いものではないよ」ということをお伝えしたくて始めた投資連載。【投資入門①~⑥】【投資実践】と、かなりボリュームのある仕上がりになりましたがいかがでしたでしょうか。
アメリカと違い日本は預貯金での資産保有が多い国ですが、それでも最近、セミナーや個別相談にお越しくださるお客様の意識が以前とは変わってきたことを強く感じています。「貯金だけでは足りない」とおっしゃる方や投資の話を振られることも増えました。世相の変化に伴い預貯金以外の貯蓄方法への関心が高まっている中で、お客様に必要な情報をお届けできるようこれからも努めてまいります。