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「古いがん保険、どうしよう?」50代女性の保険見直し実例からFPが解説

  • 保険

今回のテーマは「がん保険」。
芸能人の方などが、がん闘病を告白するケースも多くあり、がんは身近な病気だという認識をお持ちの方がほとんどではないでしょうか。
治療費がかかることもあり、がん保険で備えている方は多いですが、比較的安価な保険料ということもあり、一度ご加入されると見直すことなく長期間そのままになっているケースが多いものです。

がんの治療については日々、進歩・変化しています。
その一方でそれをカバーする保障については昔のまま…では、当然ミスマッチが起こってきます。

そこで、古いがん保険を見直す際のポイントを、ファイナンシャルプランナーが、がん保険の見直しの実例から解説します。

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50代女性のがん保険見直し

今からご紹介するお話は、実際にご依頼のあった個別相談での出来事です。
Aさんは現在54歳の女性です。
シングルマザーとして仕事、子育てに励んできましたが、子どもが独立したこともあり、保険を見直そうとなりました。
25年前に職場で加入した団体扱いのがん保険でした。
当時はあまり保険について考えることなく、職場の周りの人たちが加入していたので何となく加入したとのことでした。
給与天引きで保険料が引落しされていたこともあり、
「これまで内容について見直す機会がなかったですね」とおっしゃっていました。

Aさんが25年前に加入しておられた保険は、診断給付金と入院時の保険金をメインにしたがん保険で、65歳以降は診断給付金が半額になるものでした。
1982年までは、70歳を過ぎると医療費が無料という時代がありましたので、風潮として現役時代の保障に重点を置いた保険も少なくありませんでした。

Aさんが不安に感じていたことと解消のポイント

Aさんが不安に感じていたことは大きく3つ。
1) 65歳以降の保障額が半分になること
2) がんが再発した際にお金が受け取れないこと
3)入院しないとお金がもらえないこと

特に、ひと昔前と違い現在は、がんは治療できる病気となったことから、治療が長期間に及んだ場合でも保険金が受け取れるように、入院に重点を置くのではなく、通院しながら、がんの治療をした場合に保険金が受け取れるものを希望されました。

そこで、次のポイントをおさえたアドバイスをさせていただきました。
1)再発に対しての備え
2)手術、放射線、抗がん剤治療の三大治療への備え
3)先進医療に対する備え

Aさんが特に重視されたのは、入院をしない場合でも治療ごとに保険金が支払われることです。
実際にがんになった際は、94%の方が三大治療を受けています(メットライフ生命調べ「がん罹患者または罹患経験者に関する調査(2018年)」)
また、かかりつけのドクターに「がんと診断された時には入院するけど、あとは転移した際や終末期ぐらいしか入院しないよ」と聞いたこともきっかけだったようです。

先進医療は、厚生労働大臣が定める高度な医療技術を用いた療養を指します。
高額となるものが多いですが、全額自己負担(先進医療の技術料は、高額療養費制度の対象外)となります。
どのくらいかかるのか、厚生労働省が公表しているデータをみてみましょう。

がん先進医療技術名技術料平均額平均入院期間
重粒子線治療約315万円7日
陽子線治療約277万円12.6日
自己腫瘍・組織及び樹状細胞を用いた活性化自己リンパ球移入療法約56万円0.2日
樹状細胞及び腫瘍抗原ペプチドを用いたがんワクチン療法約67万円
厚生労働省「先進医療の実績報告」(平成29年6月時点)

ひと昔前の保険では、先進医療を保障してくれるものは存在しませんでしたが、近年は備えることができます。
実際に、弊社のお客様でも肝臓がんになられ重粒子線治療を受けた方がいらっしゃいます。
ドクターからこの治療の存在を聞いたものの、あまりの高額に一度諦めたところ、後日、弊社に給付金の請求をした際に保険が使えることを知り、受けることができました。
先進医療は、保険会社から保険金が払われるまで、ご自身で立て替えるのも負担になるほどの高額になる場合が多いですが、保険会社から医療機関に直接保険金を支払うサービスをしている会社も多く、金銭的な心配を減らし、制限なく治療に専念できるというメリットがあります。

まとめ

保険料を払い続けていれば保障内容はずっと維持されますが、こんな風に、気づかない間に医療を取り巻く環境は大きく変わっています。
にもかかわらず、それを意識される方は少ないものです。
がんの治療については、最新の情報と備えが必要です
ライフスタイルなど環境に変化があった際や、過去に加入して長期間そのままになっている方は、必ず一度保障内容を確認してください。

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