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退職間近の50代、60代に伝えたい「人生100年時代」の対処法

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『人生100年時代、やっておかないと手遅れに!?「お金に働いてもらう」という選択』

「人生100年時代」という言葉を見聞きすることが、この数年でぐっと増えました。
未曾有の長寿社会をどう生き抜くか、様々な情報が巷にはあふれていますが、退職を間近に控えた方や既にセカンドライフを送られている方の中には、「自分はそこまで長生きしないだろう」と思っている方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、これは決して遠い未来の話ではありません。

厚生労働省が令和元年7月に発表した簡易生命表(平成30年)をみると、最多死亡年齢は男性で87歳、女性は92歳となっており、100歳に近くなってきています。さらに、95歳まで生存する人の割合は、男性9.6%、女性26%となっており、男性は約10人に1人、女性は約4人に1人が95歳まで生きる計算です。

100歳まで生きることを前提とした場合にやはり気になるのが、
「お金が足りるのか」という点です。
長いセカンドライフを、「何とかなるのではないか」と楽観視して何も対処せず、漠然とした不安を抱え続けて過ごすのはしんどいと思いませんか?

そこで、「不足があれば早めから備えておきたいけど、何からしたらいいかわからない」と考える退職間近の50代、60代の方に取り組んでいただきたい、収支を改善するための知恵と工夫をお伝えします。

支出の見直し

退職間近の世代にとって退職前の数年間は、子育てから解放され、残る大きな支出は住宅ローンのみというご家庭も多く、無理なく老後資金を貯めるチャンスです。
定年を迎え退職した世代にとっても、退職金を闇雲に使い切ってしまうことを防ぐために、支出額の予算を決め、貯蓄額の目標を立て、お金の流れを把握・管理することが大切です。
お金の流れは、毎月の支出を固定費と変動費に分けて把握。それぞれを管理する際のポイントは以下の通りです。

固定費は「住宅ローン・保険・自動車」を見直して改善

大きく支出を削減するには、固定費の中でも金額の大きい「住宅ローン・保険・自動車」にかかる費用を見直しましょう。

【住宅ローン】
現在、住宅ローンの金利はかなり低く、固定金利35年の借り換えなら、15年〜20年の返済期間で、年1.110%〜年1.810%の範囲で取り扱いがあります(2019年8月現在)。支払期間が残り10年以上かつ住宅ローンの金利差が1%以上ある場合は、見直しにより借換え手数料を差し引いても毎月の支払いが今より安くなることが多いでしょう。

【保険】
保険は、子どもの就職後もご主人に多額の死亡保険金を掛け続けていたり、付き合いで加入した保険がそのままになっていたりすることも。今後のライフプランに合っているか一度見直しましょう

特に、加入事例が多い「定期付終身保険」にご加入の方は、以下を参考に検討してみてください。
定期付終身保険でよくある設計(表)をもとに、3つの見直しポイントをお伝えします。

保障期間目的金額
終身保険終身葬式代200万円程度
定期保険特約
収入保障特約
60歳、65歳遺族生活費3,000万~5,000万円程度
入院特約80歳高額療養費適用後の自己
負担額や差額ベット代など
5,000円/1日
1入院120日限度

1.終身保険は、保険金額が200〜300万円であれば継続する(葬式代として)。500万円以上であれば、払済保険(保険料の払込みを停止し、保険金額を引き下げる)にする

2.定期保険特約・収入保障特約を減額、解約する(子育ても終わりが見えてくれば、多額の遺族生活費は不要となるため)

3.入院特約は、終身型の医療保険に切り替える(一生涯の医療費の総額のうち約半分は70歳以上でかかるため)

【自動車】
自動車は、車種にもよりますが、燃料費・保険料・駐車場代など、1年間で少なくとも25万〜30万円の維持費がかかります。本当に我が家に自動車が必要かどうか再考し、レンタカーやカーシェアリングなどの利用を検討することで、かなりの費用が削減できます。生活に車が必要な場合は、コストが抑えられる車種への変更も検討されてみると良いでしょう。

変動費は「Needs」を基準に見直して改善

50代、60代に多くみられるのが、「Needs(必要なもの)」より「Wants(欲しいもの)」を基準にする消費スタイル。
特に変動費は、「Needs」を基準に消費を見直すと、改善が見られることがよくあります。

例えば、インターネット通販を利用する場合、便利な反面、カードを使うと現金よりも15〜20%多く買ってしまう傾向があるそうです。カードでの買い物も毎月の予算を決め、絶対に必要なもの以外は後回しにして再考する習慣をつけましょう。

ただ、変動費のやりくりはストレスを伴うと長続きしないので、「無理なく、我慢しないで、できる範囲で」始めることが大切。
そのために、「Wants」の精度を上げること。
どういうことかと言うと、「何となく」ではなく「なぜ欲しいのか」を自分自身に問いかけ、その理由が見栄などではなく「自分にとって本当に欲しいものか」を吟味することをおすすめします。

「終身年金」の増額

年金問題が相次ぎ、将来を危惧する声は俄然として多いですが、それでもやっぱり、セカンドライフの収入の中心を担うものは公的年金でしょう。

老齢基礎年金や老齢厚生年金など、公的年金の優れたところは「終身払い」であること。
「人生100年時代」に備えるためには、どれだけ長く生きても受給が続くものを今からでも増やすことが要と言えます。
では早速、公的年金の増やし方を見てみましょう。

繰下げ受給

現在、日本の年金制度は65歳からの受給を原則としていますが、本人の希望により60歳から70歳の間で自由に選択できるようになっており、これを「繰上げ受給・繰下げ受給」と呼んでいます

年金の開始を65歳より前倒しする場合には毎月0.5%ずつ受給額が減額する一方、65歳より遅らせる場合には毎月0.7%ずつ受給額が増える仕組みで、最近は長生きのリスクに備えるために繰下げ受給を検討するケースも見受けられるようになってきました。

 繰下げ請求と増額率
請求時の年齢増額率
66歳0ヵ月~66歳11ヵ月12%
67歳0ヵ月~67歳11ヵ月26%
68歳0ヵ月~68歳11ヵ月43%
69歳0ヵ月~69歳11ヵ月64%
70歳0ヶ月88%

なお、会社員の場合には、1階部分の老齢基礎年金と2階部分の老齢厚生年金とを合算した額が年金受給額となりますが、老齢基礎年金部分のみの受給を遅らせるなど、1階部分、2階部分それぞれでの選択が可能となっています。

任意加入

老齢基礎年金の加入期間は20歳から60歳までと把握している方が多いですが、任意加入という方法が存在します。
老齢基礎年金の任意加入には、次の2パターンがあります。

1.60歳までに老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていない場合、70歳までの間、任意で加入を継続できる

2.受給資格期間は満たしているものの40年に満たない場合、65歳までの間、任意で加入を継続できる

ただし、厚生年金に加入していないことが大前提であるため、再就職や再雇用などで60歳を過ぎても第2号被保険者の立場にある方は利用することができません。

付加保険料

第1号被保険者、任意加入被保険者は、定額保険料に付加保険料を上乗せして納めることで、受給する年金額を増やせます。
付加年金額は「200円×付加保険料納付月数」です。

資産運用

フィデリティ退職・投資教育研究所が退職8000人を対象に行ったアンケートを見ると、「退職後後悔しないためにやっておけばよかったこと」の1番に「退職後の資産形成」があがっています。実際、弊社にはご退職予定の方やご退職された方が定年退職金の運用のご相談でよくお見えになります。50代、60代の資産運用で心にとめていただきたい大事な2つのポイントをお伝えします。

取り崩しへの抵抗感は「年金受取」でカバー

突然ですがここで皆さんに質問です。

貯めた老後資金が5000万円のAさん、3000万円のBさん、2人の女性がいます。
Aさんはセカンドライフに入ってから既に2000万円を使ったので老後資金は残り3000万円となりました。
一方のBさんは1000万円使ったので残り2000万円になりました。
この先の老後生活により不安が募るのはどちらの女性だと思いますか?

答えはAさん。老後資金の残額が少ないBさんと思われるかもしれませんが、減りが大きいAさんのほうが不安を強く感じるのです。

このように、収支の安定を望むシニア世代においては、預金から毎月一定額を取り崩すというよりは、年金受取ができる商品(個人年金保険など)を運用に取り入れて、取り崩した感なく収入を得ることが老後の安心感につながります

インフレに負けない「購買力」をつける

資産を運用するときに、もう1点気にかけていただきたいポイントが「インフレ」です。

インフレとは、物やサービスの値段が上がり、お金ね価値が目減りすることを言います。
1000円で買えていたものに1200円かかるという具合に、量も中身もまったく同じ、クオリティーは変わらないのにお金の負担だけが大きくなり、1000円で出来ていたことが1000円で出来なくなります。つまり、1000円に1000円の価値がなくなってしまうのです。

1990年から2017年まで、日本の消費者物価指数の上昇率の平均は年率で0.4%、2000年以降に限定するとその平均は0.1%(総務省統計局 消費者物価指数)。日本はほぼインフレを考慮しなくてもよい時代にありました。
しかし現在、日銀はインフレの目標水準を2%に設定しています。

将来のインフレを見込んで、今からできるインフレ対策についてはコラム
【個人ができるインフレ対策】資産を減らさないための3つの対策
にまとめています。

「無形資産」を構築しつつ長く働く

100年時代の人生戦略を考えたとき、支出の見直しや公的年金の増額、資産運用だけでなく、「できるだけ長く働く」という選択肢も視野に入れておくと、セカンドライフに柔軟性をもたせることができます

改めてここで考えたいのは、どのようにして働き続けるかということ。
シニアになっても働くという選択は、自分より若い人とフラットな立場で働く、あるいは若い人のもとで働くということです。これまでの部長や課長といった肩書きを取り除いて残るものが、シニア世代に求められる資質と言えるでしょう。

内閣が設置している人生100年時代構想会議のメンバーのリンダ・グラットンさんは、著書『ライフ・シフト』の中で、こうした資質を「無形資産」と表現しています。

具体的には、無形資産を構成するのは会社の肩書きを外しても通用する知識や経験、人脈と説明しています。そして、こうした無形資産を形成するには、若いうちから趣味をもつなどして仕事以外のやりがいを見出しておくことを勧めています。
先述した退職者へのアンケートでも「退職後後悔しないためにやっておけばよかったこと」の上位2番目は「趣味を持つ」でした。

まとめ

人生100年時代の長生きリスクへの対処法を色々とお伝えしましたが、実際に取り掛かるとなるとそのアプローチの仕方はお客様一人ひとりで違ったものになります。長い人生、どんな風に暮らしていきたいか、お客様の希望とする暮らしを一緒に思い描きながら、それを最大限叶えられるように、私たちはマネープランを考えています。

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